2013年12月9日月曜日

ある日突然降って湧いたカンボジアで「ロボコン」!?:=その1 (1)~(5)

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JB Press 2013.12.09(月)   金廣 純子
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39364

正確な時計が一つもないテレビ局、想像できますか?
ある日突然降って湧いたミッション
カンボジアでロボコン!?

カンボジアの首都プノンペンは、一言で形容しがたい不思議な街だ。

タイのバンコクのように仏教的な雰囲気はあるにはあるが、その横にフランス植民地時代の薄汚れた建物が建つ。
その保存状態は極めて悪くほとんどが朽ちており、ベトナムのハノイのような統治時代の面影を残すわけでもない。

空き地には、次々と高層ビルが建築されているが、いつまで経っても完成する気配がない。
そのくせして、体裁の良いレストランやブティックホテルはある日突然現れる。

道路の舗装状態は悪く、アスファルトは剥がれてボコボコ穴が開いている。
だから、というわけじゃないだろうが、ぴかぴかのトヨタのレクサスが埋め尽くしているかと思うと、ボロボロのトラックやバンに人と荷物をこれでもかと積み込んで疾走し、その合間をアリのようにモト(オートバイ)が無秩序な隊列を作って殺到する。

■「援助」と「経済成長」が混在するカンボジアに来た理由

アンコールワットのあるシェムリアップに観光客は集中し、首都なのにここプノンペンに立ち寄る外国人はそのうちの数割だ。
実際、プノンペンに来たところで、観光スポットは王宮と、ポル・ポト時代の「負の遺産」であるトゥール・スレンとキリング・フィールドぐらいだ。

あとは、小洒落たブティックホテルのプールで泳いで、スパして、夜はおしゃれなフレンチレストランやワインバーで安い関税の恩恵を受けて恐らく世界一安いワインと美味しい料理を楽しむ――くらいしかやることがない。

なんだか、2~3日ゆっくりするにはいいけれど、ゆっくりするだけで、充実感がないというか、街全体が急場しのぎの書き割りみたいなのだ。
つまり、プノンペンのこのありさまが、今のカンボジアを象徴しているような気がする。

70年代のポル・ポト政権下の信じられないような愚行から長きにわたる内戦によって、文化、知的財産、人材をことごとく破壊されてしまい、カンボジアには未だにインフラを自分たちの力で整えられるほど、国としての体力が回復していないし、自国の産業として誇れるものは皆無と言っていい。

安い人件費を求めて外資が流入する昨今は、高い経済成長を反映してか、外国人相手の手軽に提供できるサービス・飲食産業だけがいびつな形で発展している。

ところで、この国には重要な産業がもう1つある。
それは「援助」という産業である。

カンボジアが供与を受けているので、正確に言うとカンボジアの産業ではないし、「援助」が産業かどうかは、議論の余地があるだろうが、しかし、この国は援助なしには成り立たないのも事実なのである。

で、一応、この連載を始めるにあたって、私が何をしにこのカンボジアにやって来ているのかというと、JICAのシニアボランティアという「援助」を行う一員として、2012年6月にカンボジアの国営テレビ局に「テレビ番組の制作指導」という立場で2年の任期で配属され、今に至っている。

■番組制作指導に入ったカンボジア国営テレビ局、そのトホホな実情


●カンボジア国営テレビ局の外観(写真提供:筆者、以下同)

さて、このカンボジアの国営テレビ局というのをどう説明すれば皆さんに正しく状況が伝わるのか・・・。
実は相当悩んでいる。

例えば、局舎やスタジオの機材などは90年代後半に日本のODAによって供与され、その機材の80%ぐらいは壊れてしまっていて、だましだまし使っている。

ナレーションなどを収録するスタジオの機材はほとんど動かないから、普段はオフィスの部屋で、カメラマイクでナレーションを収録して、その間だけみんなで静かにしているとか。
内線電話もなければコピー機もなくて、局にサーバーもないので、みんなGmailやYahoo!のフリーメールを使っているとか。

ここまではなるほど・・・ですか?


●ニューススタジオでモニターを確認するスタッフ

局の中にまともな時計は一つたりとも存在しない。
そもそも、私は「動いている時計」をスタジオ以外で見たことがない。
そのスタジオにある時計だって、あっちの部屋にある時計と、こっちの部屋にある時計は1分ぐらいずれている。

だから、例えば7時ちょうどに放送されるはずの番組のスタートは7時2分前だったり、7時3分過ぎだったりするとか。
レギュラー番組の番組尺(長さ)が決まっていないので、ある週は24分だけど、翌週は18分だったりとか・・・。

ちょっとびっくりしました?

それに、局の中でどんな番組がいつ放送されているか、誰も正確には知らない。
そもそも日本では新聞に毎朝掲載される番組編成表がこの局には存在しない、毎朝どころか、現在レギュラー的に放送されている番組表すら存在しない。

番組担当プロデューサーに聞いても、ほとんどその放送日時をちゃんと言える人はいないし、中には、「番組が完成すると放送される」と答えるプロデューサーもいるとか。
国営テレビ局なのに、CMが流れているとか・・・。

ちょっと笑えますか?

定時ニュースだってほとんど録画したものが半日遅れで放送されるこの放送局で、昨年から局史上初めて毎朝生放送の2時間の「朝のニュース情報番組」がスタートしたのだが、この番組の準備期間はほんの3週間で、しかもスタッフは総勢たったの15人くらい。

技術専門スタッフは存在せず、さらに半分以上は大学を出たばかりの全く基礎的な訓練も受けたことのないスタッフで、全員で生放送が唯一できるスタジオで1週間前からトレーニングをして、全員持ち回りでカメラマンをやったり、音のミキシングをやったり、VTR出しをやったりしている。

だからもうこの番組ではライトが壊れたといっては、真っ暗なスタジオから放送を出してしまったり、モニター出し用のPCがウイルスに感染したといっては、VTRが出せなくなったり。
 
それより何より、ライブテロップ(生放送で、アナウンサーの名前やニュースのタイトルなどのテロップを出すこと)をどうやって出せばいいのか誰も知らなくて、今までテロップを一度も出したことがないとか・・・。

ここまで来ると、ほとんどギャグでしょうか?

■ある日突然、「ロボコン」開催を相談される

しかし、これがカンボジアの国営テレビ局の2013年現在の状況である。

つまり、こういうお金もなければ、人材もなく、インフラを整えたところで、それをメンテナンスするだけの力がない国で(この国で機材が壊れても、部品が手に入らないので、修理ができないし、こういった専門的な機材をメンテする人材もいない)、お金も掛かれば、専門的人材の育成も必要とされる「放送」という事業をすると、こういうことになってしまうのである。


●生放送のニュース番組の収録中。全てのスタッフが「何でもできる」ように1週間でトレーニング

お金も人材もある国日本ならば、高校の放送部だってこれよりマシというものだ。

で、このお金も、人材もなく、インフラもメチャクチャなテレビ局で、私のカウンターパートである副局長から、私はある日相談を受けたのである。

「日本が発祥で、アジアでも今大会が開かれている『ロボコン』を是非うちの局で開催して放送したいんだけど、どうにかならないか?」と。

ということで、ようやく本題にたどり着いたが、この「ロボコン」をこれから開催するまでの「ドタバタ」を、ほぼリアルタイムで毎週ここに描いていくつもりだ。
ま、カンボジアっていうのはこういう国ですから、「ドタバタ」も含めて何でもアリ、なんである。
そんなことを毎週「ぼやき」半分で書いていきます。

※本連載の内容は筆者個人の見解に基づくもので、筆者が所属するJICAの見解ではありません。
 』


JB Press 2013.12.16(月)   金廣 純子
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39404

ロボコン始動、幸運なスタートも1ミリの差に躓くやるなら「今でしょ」は甘かった
カンボジアでロボコン!?(2)

 カンボジアで「ロボコン」をやることになった。

というか、やろうと思っている。
言い出したのは、私のカウンターパートであるカンボジア国営テレビ局の副局長パン・ナッ氏、通称、松平の殿様。
そしてやろうと同意したのは私である。

なぜ松平の殿様なのかというと、この方、その昔、このテレビ局の「看板アナウンサー」だったそうで、日本で言うとNHKの松平定知さんのような存在だと、前任者から紹介を受けたからである。
というわけで、私はこの人を「殿様」と密かに呼んでいる。

■日本発のロボコンがアジア地域に広まった理由

では、なぜ殿様は突然「ロボコンをやりたい」などと私に言ったのかというと、この国営テレビ局は、アジア太平洋放送連合(ABU)に所属しているのである。

ABUというのは、西はトルコ、東はサモア、そして北はロシアから南はニュージーランドまでのアジア太平洋の63の国と地域から255以上の放送事業者が参加している組織だ(ABU公式ウエブサイトより)。
ちなみに、日本からはNHKとTBSが加盟している。

そしてこのABUでは、番組ソフトをアジア地域で共有して、それを地域全体に発展させていこうという活動があるのだ。
その老舗的な存在が、ABUロボコンなのですね。

そもそもNHKで始まったロボコンの放送が、ABUによってアジア地域のロボコンとして各国の参加を得て始まったのが、今から11年前の2002年のこと。

当初は日本が圧倒的に強かったけれど、タイ、ベトナムなどの新興国や、中国、インドがその国力とともに台頭して、
毎年びっくりするようなロボットが登場し、そのテクニックや発想のユニークさを競っているのだ。

そして今や、ASEAN加盟国で参加したことがない国は、ミャンマーとここカンボジアだけになってしまったのである。

で、殿様は、このABUの会議に参加するたびに、ロボコンの映像やら、ワークショップやらを見せられて、ずっと「いいなあ」「参加したいなあ」と思っていたらしいのだ。
つまり、ABUに所属しているテレビ局が主催なり、独占的に放送していないと、このABUのロボコンには代表を出せないのである。

だから、先週書いたように、まともな時計が一個もなくて、時間通りに番組が始まらない、そしていつどんな番組をやっているのか誰も知らない、このビンボーテレビ局でも、日本や中国や韓国の代表と同じ舞台にカンボジアの代表を送り込めるチャンスがある、というわけだ。

■「今でしょ!」とプロデューサーの勘で思ったものの・・・
殿様から相談を受けた時に、「今ならやれるかな?」と私は思った。

カンボジアはこのところ外資がどんどん入って経済も右肩上がりだし、周辺国の労働者の賃金が上がって、次から次へと工場がカンボジアにシフトしてきている。
プノンペンの街は高層建築の建設ラッシュだし、大規模な商業地域の開発も数カ所で同時進行中だ。
 

●高層ビルの建設が進むプノンペン市内(写真提供:筆者、以下同)

これを称して東京オリンピック当時の「三丁目の夕日」だという日本人もいるように、国全体が「ダメダメ」ながらも、街の表層は発展している感にあふれている。

だからなんとなく、「やるなら今でしょ」という気がしたのである。
これは、プロデューサーとしての勘だ。
それと、ちょっと図々しい言い方だけれども 
 「私が居るならできるでしょ」
という気もあった。

 
●高層ビルの数ブロック先では、使われていない鉄路の周りが荒れ果てている

というのも、このテレビ局にやってくる専門家やボランティアの人々というのは、その時代時代によって、テレビ局が必要とする、放送のいろいろな分野の人なのである。

たとえば撮影技術の専門家であったり、番組(電波)を送出する専門家であったりするのだが、私はたまたま「テレビ番組制作」のために呼ばれてきたのだ。

だから、カメラが壊れたから直してくれ、と言われても私には直せないし、スタジオの照明を新しくしたいのでアドバイスしてほしい、と言われても何もできない。

けれど、ロボコンのようなイベントや番組を立ち上げるために、人に会いに行って、頭を下げて、情報を集めて、組織を作って、というのは、日本でプロデューサーとして嫌というほどやってきたから、なんだかできそうな気がしたのである。

ということで、まず私は、同じJICAのシニアボランティアで、プノンペン郊外のプレアコソマ工科大学で土木工学を指導している德田稔夫さんに相談をした。
根っからの文系である私にとって、「工学」系の人ならきっと知恵があって、その大学に声をかければ、ささっと参加者が集まるかもしれないと思ったからだ。

そうしたら、徳田さん曰く
「私はロボットのことはわからないが、今度電子工学の先生で平松さんという人が来たから、その人に相談してみよう」
ということになった。
「ロボコン指導経験者を得て一安心」は、ぬか喜びだった

平松健二さんは日本の職業訓練校で長年教鞭を取られてきて、スリランカの大学などでも指導されてきた方なのだが、何と、日本でもスリランカでもロボコンに出場するためのロボット製作を指導して来たと言うのである。

「できた!」

日本で番組を立ち上げたり、イベントを立ち上げたりする場合、こういう専門のキーパーソンが見つかれば、大体できたも同然なのである。
あとは、専門的なことはその人にお任せして、私は番組放送のための組織を作って、お金を集めればいいだけだ。

やったぁやったぁ、半分できたと思い込んでいたら、その数日後・・・。

「一番簡単なタイヤ付きのライン・フォロワー・ロボット(黒い盤上の白いラインをセンサーが認知して自律的にその白いラインの上を走るロボット)を作るための部品を探しに行ってきた」
と平松さん。

「はいはい、ここにはガラクタみたいな部品、市場に行けばいくらでもあるから、何となかなりますよね?」
と私。

「いや、ないんだ」

「へ?」

「揃わない、ここじゃ」

ええ!?
だってだって、あんな簡単な(に見える)ロボットを作るための部品なんて、日本じゃ秋葉原に行けばごちゃまんとあるし、ここカンボジアには秋葉原にあるみたいなワケの分からない部品屋やバッタモン屋がたくさんあるから何とかなるんではないの?
と思った私が甘かったのである。

「それとね」
と平松さん。
「ライン・フォロワーの白いラインっていうのは、ABUを始めとして世界のロボコンの規則では1.9センチと決まっているの。
いわゆる日本で売っている白いビニールテープあるでしょ。
あれの幅が1.9センチ」
と言って、白いテープを出してきた。

「これ、こっちに売ってる白いビニールテープなんだけど、図ったら2センチなの。
だからダメ。
これ、使えない」

ええええ〜!

つまり、日本は部品にしろ、ビニールテープにしろ、一つ一つJIS規格などできちんと幅や大きさや材質までもが決まっている。
だからどこで何を買おうが、同じ規格、同じ品質のものが手に入る。

しかし・・・ここはカンボジアなのである。
そもそも、法整備すら途上段階にある国なのである。
税金だってまともに徴収できていないのである。
そんなカンボジアでJIS規格に類したものなんてあるわけないのである。

それでテープの幅は2センチで、ロボコンをやるには非常に不都合、とこういうことなのだ。嗚呼!

ということで最初の部品集めから早くも頓挫してしまったのである。
そして、こんなことはほんの序の口。
まだまだここからめくるめく「謎のカンボジア王国」とロボコンの闘いは始まるのである。



JB Press 2013.12.24(火)  金廣 純子
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39483

「カンボジアってそういうところ」は迷路の入り口行く手を阻む”縦割り” ”序列”
カンボジアでロボコン!?(3)

前回、ロボットを作るための部品がカンボジア国内では揃わない、ということを書いた。
で、その部品をどう調達するかという問題を解決しながら、別のこともやらなくちゃいけないわけである。

何もないところで一から何かを立ち上げるというのは、同時進行でいろいろなことを考えて、情報を集めて、判断をしていかなければいけない。
何か一つのことに集中してそれ専門にやっていく、というわけにはいかないのですね、当たり前だけど。

■ロボコン開催に欠かせない「参加者」の出場資格とは

カンボジアで初めて大学対抗のロボットコンテスト(以下、ロボコン)を立ち上げるには、大きく分けて以下の4つが必要なのである。

1.参加者がロボットを作るための部品
2.ロボコンの参加者
3.ロボコンを開催するためのお金
4.そしてそのロボコンを放送する番組制作に必要なお金

とまあ、前回紹介したようなわけで部品がなかなか見つかりにくい状況はお分かりいただけたと思います。
それでこの「部品問題」がどうなったかちゃんと詳らかにしないうちに、とっとと別の問題が起こってきたのである。

というのも、一応、言い訳をしておくと、この原稿を依頼された際に、編集者の方から「ほぼリアルタイムで」のレポートをお願いされたのであるが、時系列的には同時にいろいろな問題が起こっているので、言われた通りに書くとそうなっちゃうのだ。

ところで、カンボジアでなぜロボコンをやろうとしているかというと、前回も書いたが、私の配属先のカンボジア国営テレビ局の私のカウンターパートである”松平の殿様”が、
「カンボジアでもロボコンをやりたい。
アジアで広く行われているアジア太平洋放送連合(ABU)のロボコンにカンボジア代表を出してみたい」
とつぶやいたのがきっかけなのである。

ならば、ABUの出場資格に沿った形で出場チームを考えなければいけないわけだ。

ABUのロボコンの出場資格はどうなのかというと、
「アジア・太平洋地域の大学、工科大学(ポリテクニック)の学生たちが、与えられた競技課題に従い、アイデアとチームワークを駆使してロボットを製作し、競技を通じて技術力と独創力を競う、全く新しいユニークなコンセプトの国際的教育イベントです」
(NHK大学ロボコン2014〜ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会〜より)とある。

まず、最初は広く広報を行ってカンボジア中の工科大学に声をかけるという手もあるなと思った。
しかし・・・そもそもカンボジアにどのぐらい工科大学があるのかわからないし、どんな手段で声をかけるのかもよくわからない。

いずれにしてもロボットが完成した暁には、プノンペンで大会をやるわけで、たとえばカンボジアの北西部にあるバッタンバンの工科大学に声をかけて参加してもらったところで、移動手段は陸路だけ、しかも、カンボジアには客車が走っている鉄道はないので、移動に車で片道6時間。
どう考えても、1回目の今回には無理がある。

■ロボコンの出場大学集めに立ちはだかった意外な壁

ということで、工科大学(Polytechnic)の学生なんだから、協力を仰いだ平松さん、德田さんが配属されているPPI(Preah Kossomak Polytechnic Institute)は出場資格ありなわけで、そこからプノンペン市内にある工業系の大学にでもいくつか声をかけてもらって参加を募るのがいいのではないか、ということになった。

ふふふ・・・またしても、これで出来たも同然と思った私である。うまくいきそうではないか・・・!

そこで、お2人から学校に相談してもらうことにした。

早速、PPIの学長に相談してくださったお2人の意見は、PPIと関係の深い工科系の大学があと2校あるので、そこは内々に根回しをPPIの学長からしてもらい、まずはロボコン企画者である国営テレビ局の”松平の殿様”から正式に連絡をしてもらった方が良いのではないか、ということになった。


●プノンペン市内のスナップ。使われていない線路の上で生活する人たち(写真提供:筆者、以下同)

ここで問題になったのは、
「記念すべき第1回のロボコンに参加する大学がこの3校で本当に妥当なのか?」
ということだった。
実は、カンボジアにはITC(Institute of Technology of Cambodia)という工科系では一番と言われる大学がある。

いわば、日本の東工大である。
ここが参加しないロボコンというのもどうなんだろう・・・ということに当然なったわけである。

それじゃあ、PPIの学長がITCに声をかければいいじゃないか?
と思うのであるが、それはそれ、カンボジアという社会においてはほとんど「あり得ない」ことなのですね。

と言うのも、PPIと、PPIから声をかけてもらうNPIC (National Polytechnic Institute of Cambodia)とNTTI(National Technical Training Institute)の3校は、労働訓練省(Ministry of Labour and Vocational Training)の傘下にある、いわば労働訓練校のような存在なのである。

ところが、カンボジアの東工大=ITCは教育省(Ministry of Education)の傘下なのだ。つまり管轄が違うので連絡なんか取れない、というわけだ。
カンボジアのこの「縦割り」社会ぶり、というのは相当なものらしいのだ。

ということで、私は殿様に聞いてみた。

「とりあえず、PPIから声をかけてもらって、NPICとNTTIはもう根回ししてあるから、一応殿様から電話してもらいたいんだけど、ITCが参加しないっていうのはマズイと思うので、殿様から聞いてみてもらえる?」と。

すると殿様は、知り合いがいるから聞いてみるよ、と結構気軽に答えたのである。

数日後・・・。
殿様は私にこう言った。「電話したんだけど、やらないって」

え? どうして?

「既に自分たちはロボットなんて作ってるし、十分に作り方もわかってるし、そんなもん他の大学と競うほどのことでもない、って言ってる」

うーん、なるほど。
聞きしに勝る縦割りぶり、さらにカンボジアの東工大たるITCのプライドは富士山よりも高いのだ。

■「カンボジアってそういうところ」

しかし、一応声をかけたということが大事なのだ。
ということで、お断りされたのであるから、仕方がない。
我々はPPI、NPIC、NTTIの3校からの参加を決定し、ではどうやって運営していこうかという議論に入った。

ロボコン専門家の平松さんの意見はこうだった。

この先毎年ロボコンを開いていくのであれば、JICAに所属する我々が任期を終えてこの国を離れても(我々の任期は2年間、ちなみに私は来年の6月末に任期を終える)、カンボジアの人々が自分たちの力でこの大会を運営していけるようにならなければダメだ。

だから、大会の規則とか、大会までのスケジュールをどうするかというのは、参加大学同士で話し合って決めてもらおう、と。

賛成である。
大いに賛成。
それは我が国営テレビ局にも言えることで、私たちが主体的にやるのではなくて、カンボジアの人々が自分たちでロボコンを作り上げていくことが一番大切なのだ。

ということで、各大学から幹事役となる先生を決めてもらい、彼らによる運営のための会議を開くことにした。
私は殿様に
「幹事の先生たちに連絡して、会議を決めて、殿様も出てよ」
とお願いをしてみた。

ところが・・・殿様曰く、

「ジュンコさん、あなたはカンボジアのことがよくわからないからそう言うけれど、私がそういう人に声をかけるわけにはいかないのですよ。
学長には声をかけるけど、そこまで。
カンボジアというのはそういう社会なの。
それにその会議にも私は出るわけにはいかないの。
カンボジアってそういうとこなの」

「カンボジアってそういうところだ」って言われるとねえ、私も何も反論できないのだ。

たとえば、日本社会で、一生懸命その人のことを思ってお土産を選んで、「つまらないものですが」と言って出すのはおかしいではないか?
と外国人に言われた時に、「だって日本ってそういうところなんだもん」って言うのと同じですからねえ・・・。
ちょっと違うような気もするけど。

ということで、各大学の幹事役の先生たちには私が連絡を取って、ようやく会議の開催にまでこぎつけることとなった。

しかし、カンボジアの人に自主的にロボコンを開けるようになってほしいという私たちの思いとは裏腹に、この先も「カンボジアってそういうところなの」という現実に悩まされることになるのである。



JB Press 2013.12.30(月)  金廣 純子
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39542

日本人の「やり遂げる」気概をカンボジアに伝えたい協力を申し出てくれたタイのテレビ局
カンボジアでロボコン!?(4)


カンボジアで初の大学対抗ロボットコンテスト(以下ロボコン)をやろうと動き出してみて、今まで知ろうとする機会もなかったいろいろなことが分かってきた。
だから、まずは動き出してみて良かったと今は素直に思っている。


例えば、最初に書いた部品をどう調達するかという問題だ。
カンボジア国内ではロボットを作るのに必要な部品が手に入らない。

日本でならば簡単に手に入る単3の電池。
これを200本手に入れようと、プノンペン市内でも大きな文房具店に行ってみる。
「ある?」と聞くと、最初は「ある」と答える。
見積りも作ってくれる。

さて、所定の期日までに納品して、という段になると「ない」と言う。
これが一軒の文房具店だけじゃない。
担当の德田さんは、これを3軒立て続けにやられて、やる気を失ったと言っていた。
何でもあるが、必要なときには「ない」

なんでこんなことが起こるかというと、カンボジアには自国で生産できるものが農産物以外「皆無」であると言っていいからだ。

外国人向けの高級スーパーに行けば、何でも手に入る。
でも、例えば、たまにしか購入しない歯磨き剤とか歯ブラシなどは、以前購入したブランドが二度と見つからなかったりする。

ハンドクリームも同じものを見つけるのは至難の業だ。
綿棒はたくさんあるのに化粧用のコットンがないとか、生理用品があふれているのにサイズや種類が1つしかないとか。


●街はモノで溢れているが同じ商品が明日あるとは限らない(写真提供:筆者、以下同)

アルミホイルもラップも、あるにはあるけれど、以前買って気に入ったブランドは次回行っても手に入らない。
今日あるものが、明日もあるとは限らない。
だから「ある時にまとめて買っておく」しかない。

つまり、ものは溢れているように見えるけれど、外的・内的な要因で供給が突然ストップしたり、あるいは極端に数が減ったりする。
当然値段は釣り上がる。
自国で生産できない、ということはこういう脆弱な側面を持っているのだ。

さらに、通関の問題がある。
以前にも書いたけれど、この国の法整備はまだまだ途上段階にある。
税金だってまともに徴収できていない。
関税制度も勿論あるが、日本も含めた諸外国からその整備を支援されている。

ちなみに、関税局は一番の人気商売である。
「給料以外のお金」が入るから、とも言われている。
この風評が何を示しているか? 
推して知るべし、である。

■「確実にできる」ことを諦めている国

ということで、ロボコンに参加する学生たちに配るロボットのパーツは、通関の問題やら輸送の問題やらがありそうだということになり、結局日本から入れるのが一番確実だろうということになった。

勿論、コストはかかる。
しかし、より確実にパーツを入れることのほうが優先されるからだ。

 つまり、この国には「確実にできる」ことがほとんどない。
確実にやるためには、先進国以上のコストがかかる。
確実にできないから、やってみるといろいろな障害が起こって、途中で諦めざるを得なくなってしまう。

そうして人々は結局いろいろなことに期待を抱かなくなる。
つまり、社会に信用というものが存在しなくなる、ということの悪循環なのである。

だから私は、どんな規模でも今回ロボコンを実現してみせる、と決めた。
私が“松平の殿様”と密かに呼んでいるカンボジア国営テレビ局の副局長に「やりましょう」と言った以上、絶対にやり遂げてみせる。

その根底には、どこかで「日本人は約束を守る」ということを彼らに認めさせたいし、だったら彼らにも同じことができるはず、ということを知ってもらいたいという気持ちもあった。

当然ながら、殿様が「やりたい」と言ったのだから、殿様にも責任はあるのだ。だから殿様が諦めてしまったら私の負けである。

殿様を共犯者にしてやろう・・・。

■ハノイの会議で外堀を埋め、退路を断つ

ということで、少し話は遡るけれど、10月、私と殿様はベトナムのハノイに行ったのである。
ハノイで行われた、アジア太平洋放送連盟(以下ABU)の総会に出席するためだ。
そしてこのABUこそが、殿様の最終目標である「ABUロボコン」の主催団体なのだ。

ハノイの一流ホテルの会場で、恐らく数百人という放送業に関わる人々がアジア中から集まって、いくつも会議が行われた。

そこで、私は何とかABUの理事であるNHKの方を探し出して、カンボジアでロボコンをやろうと思っているので、力を貸してほしいとお願いをした。
勿論、殿様を連れて、2人でご挨拶した。

その方は親切なことに、会議の期間中に窓口となるいろいろなNHKの関係者をご紹介くださった。
そのたびに、「殿様、殿様、協力してくれるってNHKの人が言ってるから、来て来て」と、広い会議会場を私は殿様をずるずると引っ張って行き、2人で挨拶した。

もうここまで外堀を埋めてしまえば、殿様だって諦めることはないだろう。
何より、日本人である私自身が自分の国のNHKの人たちに会うことで、自分自身の退路を断った。

これだけ派手に挨拶した以上、できませんでした、とは絶対に言えないところまで自分を追い込んだわけだ。

そして、こうしてお会いしたNHKの人を介して、私はタイの公共放送局MCOT(タイのNHKのような存在のテレビ局)の副会長であるジョッキーさんに会うことができた。

聞けば、彼はこれまで周辺諸国へのロボコン普及のために、国を超えて様々な協力をしてきているのだという。
「だから、きっと力になってくれるはずです」とご紹介くださったNHKの人は言った。

いかにも人の良さそうなジョッキーさんはこう言った。
「タイの優勝チームをカンボジアに派遣して、どうやってロボットを作るかを指導してもいいですよ」と。
見たことのないものを番組にできるか?

しかしねえ・・・。

カンボジアには極端にお金がないのですよ。
派遣していただくというありがたいお言葉をいただいても、我々には彼らをご招待するほどのお金もないのである。

そもそも、ロボコンを開催するお金も、今必死で寄付とか広告とかで集めているのである。
本当にありがたいお言葉ですけれど、本当にお言葉だけで・・・。
と私はその時思った。

それでも、ハノイから戻っても、ジョッキーさんの笑顔が私の頭から離れない。
もしかしたら、お金を最小限にしても、協力してもらえることがあるんじゃないか?

例えば、このカンボジアの国営テレビ局がロボコンを番組化すると言っても、殿様と私以外、誰もロボコンを見たことがないのだ。

どうやって大会を中継し、番組として演出し、視聴者に伝えるのだろう? 
自分たちが「面白い」と思わないものが、否、そもそも何だか分かっていないものを、番組にできるわけがないじゃないか。

だったら、例えば、殿様と演出スタッフがタイに行って、どうやってロボコンの番組を作るのか、具体的に指導してもらった方がいいんじゃないか? 
いや、それがないと恐らく番組として成立しないだろう。

そう思った私は、ジョッキーさんにメールを送った。

「優勝チームを派遣してくれるというありがたいお申し出は、残念ながら我々にはそのお金が用意できないのでお受けしたいけれど、お受けできない。
しかし、例えば、あなたたちがどうやってロボコンを番組として演出し、準備しているのかを教えてもらうことはできないか?」
と。

すると、ジョッキーさんから程なくこんな連絡が来たのである。

「来年の1月に、タイのロボコンの国内大会があります。
我々もその大会の中継をやるが、ちょうどいい機会だから見に来たらどうでしょう。つ
きましては、12月中に是非一度打ち合わせにいらっしゃい」

これはいい機会だ。
殿様と私でそれを見学するぐらいの費用であれば、何とか捻出できるかもしれない。

ということで、私は一路、バンコクに向かったのである。



JB Press 2014.01.06(月)  金廣 純子
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39583

天と地ほどの違いがあるタイとカンボジアの放送局
タイ公共放送局の提案に対するカンボジア情報省の決定は
カンボジアでロボコン!?(5)

前回は「私は一路、バンコクに向かったのである」で終わったが、実はそう簡単にバンコクには行けなかった。

というのも、11月末から突然沸き起こったバンコクの反政府デモ。
最初はいつものことだろう、くらいに思っていたのだが、どんどんエスカレートしていき、結局、私が出していた出張申請は「情勢不安定のため公務の渡航はしばらく見送り」ということになってしまった。

■反政府デモの激化でバンコク行きに黄信号が灯ったが・・・

でも、タイの放送局MCOTとの約束はある。
じゃあ、仕方ないから私用渡航ってことにして自腹で行こうと決めた途端に、今度はMCOTとも連絡が取れなくなってしまった。

どうもバンコクのいろいろな公的機関がデモ隊に占拠されていて、大変なことになっているらしい。
MCOTとしても、カンボジアくんだりから「ロボコンの相談」にやって来る、訳の分からない日本人なんかにかまっている暇はないのかもしれない。

しかし、このチャンスを逃すと私も12月中にバンコクに行く時間が全く取れない。
ジョッキーさんの携帯電話番号も分かっているし、とにかく連絡は取れないけれど、行ってみるか・・・と思っていたら、出発2日前になってようやく連絡が来た。

やはり、MCOTはデモ隊に占拠されていたというのだ。
ようやく元の状態に戻ったから、予定通りMCOTで是非会いましょうと書いてあった。

●まるで六本木のようなバンコクの中心部(写真提供:筆者、以下同)

なるほど、メディアでニュースとなって流れていることが、自分に直接関わりのある人々にも影響しているのだなあ、なんて感慨にふけりながら、兎にも角にも確認が取れたことに安堵して、バンコクに向かったのである。

プノンペンから飛行機で約1時間、バンコクに到着すると、そこには「先進国の」大都会の風景が広がっていた。

街には高層ビルが立ち並び、モノが溢れ、モノレールと地下鉄が交差する駅にはコンビニが立ち並び、人々は足早に通り過ぎる。
すべてがキラキラと輝いて見えた。
まるで一足飛びに東京に舞い戻ったような感じだ。

こんな光景が国境のすぐ向こう側にはあるのに、一体カンボジアの建物の粗末さとゴミの多さと道路事情の悪さと埃っぽさと、そして何より貧しさと言ったら、なんだろう? 
と、大きなカルチャーショックを受けていた。

■打ち合わせに向かったタイの公共放送局MCOTでの不意打ち

MCOTはタイの公共放送局だ。日本で言えばNHKのような存在である。

カンボジアの国営テレビ局と似たようなものと言えばそうかもしれないけれど、朽ち果てた建物の前に、人々が所在なくのんびりと佇んでいる我が局とは違って、MCOTは日本のテレビ局のように局舎がいくつも分かれて建てられ、関係者が忙しそうに行き来する、まさに「マスコミ!」って感じなのである。

素人じゃない私ですら、こう感じてしまうほどの大違いなのだ
(ちなみにこの記事のために写真を撮ろうと思っていたのに、あまりのことに圧倒されてしまったカンボジアの田舎者は、気づけば写真を撮ることもすっかり忘れてしまったのである)。

さて、大玄関からエレベーター(!)に乗り、ジョッキーさんに案内されて通された部屋は、何やら「役員室」とのことであった。
そしてぞろぞろといろいろな人がやって来た。

皆にこにこと感じが良い人ばかりで、名刺を交換すると、全員「バイスプレジデント」。
そして、ジョッキーさんが、
「じゃあ、プレジデントはあとから来るから、まずは皆で内容の話を始めておきましょう」
と言う。

え、プレジデントまで来るの? なんかスゴイことになってないか?

まずは、私が今のカンボジアのロボコンの状況を説明する。
3月の開催に向けて参加大学がようやく決まったこと。
カンボジアにはお金がないので、いろいろな企業からお金を集めていること。
ロボコン大会の模様は国営テレビ局で放送するけれど、大会自体は参加大学による自主的な運営にして、これから毎年開催をしていくこと。

第1回目はまず開催することが目的なので、最も簡単なルールにするために、アジア太平洋放送連盟(ABU)のロボコンのルールに則した大会にはならないこと。
しかし、5年後にはABUルールでのロボコンを国内大会で組織して、カンボジアの代表チームをABUロボコンに送り出すのが目的であること。

そのために、1月に行われるというタイのABUロボコンの国内予選を視察させてもらい、どのように番組を作っているのか、カンボジア国営テレビ局のスタッフに学ばせたい、と。

すると、まずジョッキーさんは意外にも、こう言ったのだ。

「実は、国内大会は4月になりました」

え〜!

「というのも、今年からタイのスクールイヤーは、日本と同じ4月からスタートすることになったからです」と。

あああ、またしても、私が考えていた「最低限のお金で、ロボコン大会の模様を学ぶ」計画は瓦解してしまったのだ・・・。

■落胆の後の驚くべき提案に呆然となる

しかし、ジョッキーさんは、私の落胆の表情にも気づかずにこう続けた。

実は、我々は以前、ラオスでロボコンを開催するためのお手伝いをしたことがある。
その時は大会の組織など何もできていなかったので、ラオスの工科大学1つだけに指導して、その大学内で大会を開いて、ABUに代表を出した。

しかし、結局、ラオス政府にも民間にも国内大会を組織していくだけの力がなかったから、後が続かずに、その1回きりになってしまった。
その反省がある、と。

だから我々には提案がある、とジョッキーさんが満面の笑顔で続ける。
今回、我々MCOTは、次の3つについてカンボジアに支援をしたい。

1.大会をどうやって組織するか
2.参加学生はどのような手順とスケジュールでロボットを作っていくか
3.大会の模様をどのように番組にするか

「この3つを実現するために、まずは大会1カ月前にテレビスタッフをカンボジアに派遣して、番組制作のためのすべてを指導しましょう。
そして大会数日前から、大会組織の指導者と、大学チャンピオンと、再びテレビスタッフを派遣して、ロボコンの大会のために必要なことをすべて指導しながら、一緒に作りましょう!」
と。

全くもって夢のような提案である。
しかし、これだけの人をカンボジアに招待するのに、一体どれだけのお金がかかるのだろうか。
ダメなものは早めにダメと言わないとこじれるのは自明なので、私は即座にこう答えた。

●プノンペン郊外の労働者たちの通勤風景

「ありがとうございます。
本当に素晴しいお申し出です。
でも、カンボジアにはそれだけの人を招待するだけのお金がありません。
だから残念ですけど・・・」

すると、ジョッキーさんはこう言ったのだ。

「いやいや、こちらから派遣するスタッフの飛行機代も、宿泊費もすべてうちで負担するよ。
だから心配しなくて大丈夫」

なんと! 
しばらく私は彼の言葉が信じられなかった。
「ホントに?」と言ったまま、呆然としてしまった。
そんな提案がされるとは思ってもみなかったからだ。

■プレジデント登場で打ち合わせは無事終了。
 対するカンボジア政府の答えは?

そして、別のバイスプレジデントの女性がこう続けた。

「実は、2016年にはタイで我々MCOTがホストとなって、ABUロボコンを開催するんですよ。
そういう事情もね、あるんです」
と。

なるほど、恐らく言外に彼らは5年後のカンボジアチームのABU出場を、3年後にタイで行われる大会出場へと前倒しし、ミャンマーを含めたASEAN地域の国からの全参加ということを目指しているのかもしれない、とその時思った。

そこにプレジデントが入ってきた。
やっぱりプレジデントは、すごく風格があるのである。

ジョッキーさんが私に、カンボジアのロボコンについての説明を促し、私が状況説明をして、ジョッキーさんは、先ほどのMCOT側の提案を繰り返し、
「そういうことになりましたので、是非協力関係を築いていきたいと思いますが」
とプレジデントに提案。

プレジデントは、「よろしい」と言って、私に握手の手を差し伸べ、
「ということなので、カンボジア国営テレビ局のトップによろしく伝えてください」
と、私たちは固い握手を交わし、儀式は終了して、プレジデントは立ち去ったのである。

うーむ、夢みたいだ。
まるでシンデレラのような気分でMCOTを後にした私である。

そして、このありがたいMCOTの申し出を、カンボジア政府として受け入れるという決定が、情報省の大臣によってなされた。
いよいよ、お隣タイも巻き込んでの、カンボジア・ロボコンの始動が決定したのだ。

ということで、2014年を迎え、いよいよ3カ月を切ったカンボジア・ロボコンはここから急展開していくのである。


<続きは下記で>
【ある日突然降って湧いたカンボジアで「ロボコン」!?:=その2 (6)~(10)】


※本連載の内容は筆者個人の見解に基づくもので、筆者が所属するJICAの見解ではありません。

金廣 純子 Junko Kanehiro
慶應義塾大学文学部卒後、テレビ制作会社テレビマンユニオン参加。「世界・ふしぎ発見!」の番組スタート時から制作スタッフとして番組に関わり、その後、フリー、数社のテレビ制作会社を経てMBS/TBS「情熱大陸」、CX/関西テレビ「SMAP☓SMAP」、NHK「NHKハイビジョン特集」、BSTBS「超・人」など、主にドキュメンタリー番組をプロデューサーとして500本以上プロデュース。
2011年、英国国立レスター大学にてGlobalization & Communicationsで修士号取得。2012年より2年間の予定でJICAシニアボランティアとしてカンボジア国営テレビ局にてテレビ番組制作アドバイザーとして、テレビ制作のスキルをカンボジア人スタッフに指導中。クメール語が全くわからないため、とんでもない勘違いやあり得ないコニュニケーションギャップと格闘中…。2014年3月にカンボジア初の「ロボコン」開催を目指して東奔西走の日々。

2013年11月26日火曜日

中国の高速鉄道が海外で人気、米カリフォルニアも導入検討:日本のリニアカーは?

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●19日、独経済紙は、中国の高速鉄道が海外で高い評価を受けており、米カリフォルニア高速鉄道は中国製鉄道車両の購入を検討していると伝えた。写真は中国の高速鉄道。

『 
レコードチャイナ 配信日時:2013年11月25日 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79529&type=0

中国の高速鉄道が海外で人気、米カリフォルニアも導入検討―独紙

 2013年11月19日、独経済紙・ハンデルスブラットは、中国の高速鉄道が海外で高い評価を受けており、米カリフォルニア高速鉄道は中国製高速鉄道の導入を検討していると伝えた。
 23日付の参考消息網の報道。

 過去10年間、中国はドイツのインターシティ・エクスプレス(ICE)や日本の新幹線、フランスのTGVなどの技術を学び、国産高速鉄道の開発に力を入れてきた。
 その結果、中国の高速鉄道は国内の多様な気象条件下でも走行可能に。
 また、中国はわずか数年で9700キロメートルに及ぶ線路を建設。
 20年には数万キロメートルにも達する見込みだ。

 高速鉄道を供給している中国鉄路は自社製品に大きな自信を抱いている。
 「中国高速鉄道はすべてを単独供給できるが、他国は異なる企業が技術を寄せ集めなくてはならない」
と専門家は指摘する。
 また、中国高速鉄道は低価格だ。
 新華社報道によると、一般に高速鉄道1キロメートルあたりの価格は5000万ドル(約50億円)ほどだが、中国の高速鉄道は3300万ドル(約33億円)ですむ。

 対外的な開放政策を打ち出したばかりのミャンマーも、中国との高速鉄道プロジェクトに意欲を見せている。
 このプロジェクトが締結されれば、中国は鉄道の建設以外に、運営により50年間にわたって利益を得ることができる。

 また、米カリフォルニア州も高速鉄道の建設に中国からの資金を獲得したいと考えているようだ。
 同州のジェリー・ブラウン知事は、13年春に中国を訪問した際、北京で高速鉄道「和諧号」に試乗し、非常に感激していたという。
 ただしカリフォルニア州が高速鉄道の線路と駅を建設するためには、500億ドル(約5兆円)の資本が不足している。
 ブラウン知事は中国政府系ファンドや投資家の協力を求めたいもようだ。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年11月25日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-11/25/content_30696864.htm

 日本が米国でのリニア建設を計画


●日本のリニアモーターカー(資料写真)

①:コスト考慮し決断渋る米国

 日本は自国の先進的な技術を再度証明し、新市場を開拓するために、リニアモーターカー技術の輸出を急いでいる。
 ワシントンとニューヨークを結ぶリニアモーターカーの建設に対して、日本は一部の資金援助を約束した。
 しかしコストが高額であることから、債務危機に陥っている米国政府が同プロジェクトを批准する可能性は低い。
 米メディアが19日に伝えた。

 世界最速の列車が日本中部の山間部を通過した際に、身長が約2メートルに達する元ニューヨーク州知事のジョージ・パタキ氏は車内の通路で座席をつかんでいた両手を離し、列車の安定運行に感嘆を漏らした。

 パタキ氏は、
 「地下鉄では吊り革を持たなければならない。
 素晴らしい、
 これこそが未来だ」
と語った。
 その時、列車の速度メーターは時速314マイル(約505キロ)を指していた。
 円形の車窓の外で、富士山の景色があっという間に過ぎ去った。

 パタキ氏と引退した米国の政治関係者および官僚が16日(土)に訪日し、リニアモーターカーに試乗した。
 同列車は超電導リニア技術を採用しており、速度はアムトラックが運営する米国最速のアセラ・エクスプレスの最高時速150マイルの2倍以上に達する。
 彼らは同技術を米国に導入し、ニューヨーク―ワシントン間の走行時間を縮小し、現地の交通渋滞を緩和しようとしている。

 交渉成立を促すため、日本側は一部の建設費用の負担を表明している。
 同費用は、数十億ドルに達すると見られている。

 1964年に初の新幹線を開通させてから、日本は高速鉄道の急先鋒となった。
 日本の新幹線は来年、開通から半世紀を迎える。
 日本は初となる都市間リニアモーターカー(東京―名古屋―大阪)の全面的な建設の計画を始めている。
 同リニアモーターカーは、日本が自国の技術リーダーとしての地位を再び示す手段となる。

 海外の模範プロジェクトにも同様の効果がある。
 これはパタキ氏とその他の要人が土曜日に同列車に乗車した理由だ。
 乗客には他にも、トム・ダシュル前合衆国上院院内総務、エドワード・G・ランデル前州知事、メアリー・ピータース前運輸長官がいた。

 今回の訪日に参加できなかった要人には、クリスティーン・トッド・ウィットマン元州知事らが含まれる。
 これらの要人は、Northeast MAGLEV社の顧問委員会のメンバーだ。
 本社をワシントンに置くこの民間企業は、日本の同技術を利用し、ワシントンとニューヨークを結ぶ線路の建設を目指している。

 同計画の提唱者は、
 「走行時間を短くすることで米北東部の従業員の生産効率を高め、混雑する空港とパンク寸前の高速道路の圧力を軽減できる」
と指摘した。

 米北東部では、ワシントンとニューヨークを結ぶ線路の改良を目的とする提案が出されており、一部の計画にはボストンも含まれる。
 リニアモーターカーは、最近の提案の一つに過ぎない。
 しかしこれらの計画が実行に移される望みは薄い。

 米国政府は、増え続ける債務への対応に力を入れており、コストの高い鉄道事業が認可されるのは難しい。
 カリフォルニア州が計画中の高速鉄道への投資は何度も延期され、その路線も論争を引き起こした。
 イギリスでは、ロンドンから北に向かう高速鉄道の建設計画をめぐり、抗議者が政府と対立している。

②:リニアはホラー映画にしかないと思う米国人

 さらに、民衆はリニアの技術を完全に信用していない可能性もある。
 「米国人はリニアはホラー映画にしかないと思っている」
と、レンデル氏は話す。

 実際、日本のリニア技術では、時速90マイルで飛行機のタイヤと同様にゴムに包まれた車輪がコンクリートのレールを離れ、宙に浮くことができる。
 従来の高速列車の鉄の車輪は特殊設計されたレール上を走行しなければならないが、リニアはU字型のレールから4インチ浮き、超伝導電磁石によって浮いたまま走行できる。

 米国の鉄道を建設するため、日本は融資面でも突飛的な提案をした。
 今年の冬、日本の安倍晋三首相はオバマ米大統領と会談した際、ワシントンとボルチモアをつなぐ鉄道の第1期工事にリニアのレールと推進システムを無償で提供するという積極的な姿勢を示した。

 JR東海の葛西敬之会長は、
 「米国とこの技術を共有したい。米国は私たちに欠かせない盟友である」
と述べた。
 同社はリニア実験線を管理しており、東京・大阪間の鉄道建設を進めている。

 日本の官僚はまだ支援額を明かしておらず、「建設費の約半分」とだけ述べた。
 東京・大阪間のリニアのコスト1マイルあたり3億米ドル超(1キロ約11億4000万元)で計算すると、日本が提供する資金は約50億ドルになる。

 同プロジェクトを進めるTNEM(The Northeast Maglev)社は、個人投資家と公的資源から残りの資金を調達したい考えである。
 同社は2010年に創設されたが、最近になってワシントンでロビー活動を強化し始めた。
 法律事務所DLAパイパーで政策顧問を務めるレンデル氏はこの活動の中心人物である。

 安倍首相がリニアの新市場開拓を急ぐのは、日本が新幹線車両の輸出においてそれほど成功していないためである。
 韓国やサウジアラビアなどの一部の国は欧州のシステムに切り替えた。

③:巨大な利益にかかわる

 安倍首相は今年9月、ニューヨーク証券取引所で演説した際、「まさに夢の技術」と発言した。

 しかし、この技術は日本にしかない。
 ドイツの磁気浮上式高速鉄道「トランスラピッド」は2006年、実験線で衝突事故を起こし、多くの死者を出した。
 その後、ドイツは徐々にリニアを支持しなくなった。

 日本でも、計画中の東京・大阪間のリニアは大きな問題に差しかかっている。
 その原因の一つは、スピードと同様に驚くほどコストが高いことである。
 コストは約1000億米ドルだ。

 もう一つ、地理的な問題もある。新幹線の東京-名古屋-大阪のレールは多くが海岸沿いにあり、平らな人口密集地を通るが、リニアはアルプス山脈などの国内で最も険しい地帯を通る。

 レールの約86%が山を抜けたり越えたりしなければならない設計となっているため、建設工事を大幅に妨げ、コストを高め、地震活動に対する懸念も強めた。
 ここは地球上で地震活動が最も活発な地域の一つであるためである。

 様々な理由により、東京・名古屋間は2027年に完成し、名古屋・大阪間は2045年までかかる見通しだ。

 JR東海は、移動時間を短縮でき、航空会社から客を獲得することができるため、同プロジェクトは新たなニーズを生み、途中の停車駅にも貢献すると主張している。
 1987年、日本は国鉄を民営化し、JR東海が誕生した。
 同社は、新幹線で得た利益などのキャッシュフローで工事に投資すると発表している。

 そのため、日本が米国を説得して東北を走るリニアを建設できるかは巨大な利益に関わってくる。

 JR東海の葛西会長は山梨県立リニア見学センターで取材に応じ、
 「過去、米国は交通技術でトップを行っていたが、現在の交通インフラはあまりよくない。
 米国と日本はなぜ共同で世界を引っぱらないのか」
と述べた。



2013年11月25日月曜日

ロケットの概念変えた「イプシロンの人工知能」 13年の注目技術1位

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新型ロケット「イプシロン」打ち上げ成功。搭載した惑星観測衛星を予定の軌道に乗せた(9月14日)


日本経済新聞 2013/11/25 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1901S_Z11C13A1000000/

 ロケットの概念変えた「イプシロンの人工知能」 13年の注目技術1位

    光陰矢のごとし――。2013年も残すところわずか1カ月強となったが、今年、社会に大きなインパクトをもたらした技術は何か。
 IT(情報技術)や医療、建設、電気・機械の分野を対象にした雑誌を発行する日経BP社では、専門記者200人が今年注目された300以上の技術を挙げ、その中から4人の審査員[注]がベストテンを選出した。
 2013年のランキング1位には、純国産ロケットの「イプシロンロケットの人工知能」が選ばれた。
 2位には、前走車と衝突の危険性が高まると自動でブレーキをかける自動ブレーキを低価格化した技術が、3位には、予報もなくいきなり発生するゲリラ豪雨を予測する技術が入った。
 本連載では、ベストテンに選ばれた技術をランキング1位から順に振り返っていく。
   
1位:イプシロンの人工知能
2位:自動ブレーキ技術
3位:ゲリラ雷雨予測技術
4位:静かに消すビル解体技術
5位:ロボットスーツ(HAL)
6位:3Dプリンター
7位:直下地下切り替え工法
8位:遠隔がれき撤去技術
9位:IGZO(イグゾー)
10位:Hadoop(ハドゥープ)


[左]写真1 打ち上げ直後のイプシロンロケット
[右]写真2 打ち上げられたイプシロンロケット(写真:いずれもJAXA)

■ロケットの打ち上げを日常的なものに

 イプシロンの狙いは「ロケットの打ち上げをもっと簡単で日常的なものにすること」(森田泰弘プロジェクトマネージャ)である。
 このため、コストダウンや組み立ての簡素化、準備時間の短縮などが図られている。

 打ち上げコストは初号機で50億円程度、2号機以降では38億円で済むという。
 2017年に打ち上げる次期イプシロンでは30億円以下に引き下げる
 これに対し、液体燃料を使う大型ロケット「H2A」の場合、打ち上げに100億円近くかかっていた。

 発射台にロケットを設置してから打ち上げ、後片付けまでの期間はイプシロンの場合、7日であった。
 これに対し、イプシロンより1世代前の小型ロケット「M-V」では42日間かかっていた。

 低コストかつ短時間で打ち上げを成功させる肝となるのが、
 打ち上げ前の点検を自動化する打ち上げ管制システムだ。
 人工知能(AI)機能を組み込んだ、「ROSE(ローズ)」という愛称を持つコンピューターをイプシロンに取り付け、ROSEが電気機器の状況を監視し、地上側のパソコンに伝達するようにした(写真3)。


 何らかの異常を検出した際には、システムが即座に打ち上げを中止する。
 こうした仕組みにより、人為ミスの排除による信頼性向上、点検時間の短縮、管制要員の削減などを実現した。
 2台のノートパソコンだけで打ち上げ管制ができるため、管制室内の要員はM-Vの10分の1で済んだ(写真4)。


■イプシロンと管制システムの可能性

 ただし、今回の初号機の打ち上げでは、点検作業を自動化したがゆえのトラブルに見舞われた。8月27日、発射19秒前に打ち上げを中止したのは打ち上げ管制システムのトラブルが原因だった。

 イプシロンロケットの姿勢を点検した際、イプシロン側のコンピューターからデータが送られてくるよりも、わずかに早く地上側のコンピューターが姿勢チェックの処理をしてしまった。
 その差は0.07秒であったが、地上側のコンピューターは異常を検知したと誤認し、打ち上げを自動停止した。

 しかし、最終的に打ち上げに成功したことで、イプシロンロケットと打ち上げ管制システムの双方について将来の可能性が広がった。

■新興国に採用を働きかけ

 東南アジアを中心に新興国で小型衛星の打ち上げニーズが高まっている。
 日本としては今後、今回の実績をアピールし、新興国にイプシロンの採用を働きかける。

 打ち上げ管制システムはイプシロンだけではなく、将来は再利用可能なシャトルの打ち上げにも活用される。 
 その意味で、イプシロンロケットとその管制システムは日本の宇宙開発のエポックメイキングになる技術である。



NHKニュース 12月25日 4時27分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131225/k10014085401000.html



H3ロケット 2020年に打ち上げ目指す

 日本の基幹ロケット「H2A」に代わる次世代のロケット、「H3」の開発が来年度から始められることになり、文部科学省は、2020年の1号機打ち上げを目指しています。

 12年前に開発された日本の基幹ロケット「H2A」は、これまでに22機が打ち上げられ、成功率は95%を超えていますが、海外の衛星を受注するためにはおよそ100億円というコストの高さが課題でした。

 こうしたことを受け、文部科学省は次世代の基幹ロケット、「H3」を開発することを決め、来年度予算案に70億円を盛り込みました。
 「H3」は、液体燃料を使ったメインエンジンに固体燃料の補助ロケットを組み合わせて飛ばす大型のロケットで、開発費はおよそ1900億円が見込まれています。
 ことし打ち上げに成功したイプシロンの点検技術などを活用することで、打ち上げコストは、H2Aのおよそ半分の50億円から65億円に抑えることを目標としています。
 また、衛星の重さによって打ち上げの能力を変えられるようにし、2トンから6.5トンの衛星をカバーする計画です。
 
 文部科学省は来年度、このH3の開発に着手したあと、
 7年後の2020年に1号機を打ち上げたい、
としています。

2013年11月24日日曜日

「新島」誕生 小笠原村、村民の意見集約し議会で島名決定へ:

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小笠原の新しい島、誕生の噴煙 高さ300mに

 公開日: 2013/11/20
海底火山の噴火で新しい島ができた小笠原諸島の西之島付近を11月21日午前、朝日新­聞社機で上空から見た。


小笠原に新たな島・・・命名誰が 領海は?きょうも噴火(13/11/21)

公開日: 2013/11/21
小笠原諸島で海底火山が噴火し、新しい島が出現しました。 新たな島は、東京から南に約1000キロ離れた西之島の南南東500メートル付近で見­つかりました。島誕生のメカニズムです。西之島は、海底から4000メートルほどもあ­る海底火山の山頂にあたります。


「新島」誕生 小笠原村、村民の意見集約し議会で島名決定へ(13/11/

公開日: 2013/11/21
小笠原諸島・西之島近くで、新しい島が誕生する可能性があることを受けて、小笠原村で­は、新しい島の観光の目玉になることを期待して、村民の意見を集約したうえで、議会で­島の名前を決めることにしている。



CNN ニュース 2013.11.23 Sat posted at 15:01 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35040388.html?tag=cbox;world

小笠原に新たな島誕生、海底火山の噴火で

 日本の気象庁などは23日までに、小笠原諸島の西之島近くで海底火山の噴火により新たな島が出現したと発表した。
 この島の長さは約200メートルで、幅は約50メートル。

 噴火活動の開始は今月20日ごろ。
 ビデオ映像によると、島からは白煙があがり、時々は黒い噴煙が起きている。

 火山活動が止まれば、島が海中に没する可能性もあるが、活動が続いた場合、島がさらに大きくなり領海が広がる事態も考えられる。
 米ハワイ大学の海底火山問題の学者は島の将来については波の浸食の程度に大きく左右されるとの見方を示した。

 気象庁は新たな島の周辺海域を通る船舶などに注意を呼び掛けた。

 海底火山の活動に伴う新たな島の出現は2009年、南太平洋の島国トンガ近くでも発生。
 またアイスランド沖では1963年、スルツェイ島が新たに生まれていた。




【気になる-Ⅴ】


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2013年11月23日土曜日

貧困国支援に動く日本の医薬品会社汝与えよ、さらば与えられん



JB Press 2013.11.23(土)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39258

貧困国支援に動く日本の医薬品会社汝与えよ、さらば与えられん
(英エコノミスト誌 2013年11月16日号)

 日本の製薬会社が貧しい人たちの病気を治すことに投資する。

 日本の製薬会社は独創性に溢れた集団だ。
 2005年から2008年にかけて、日本より多くの新薬を開発したのは、米国と英国の製薬業界だけだった。
 だが、貧しい人たちの病気を治すことにかけては、日本企業の実績はそれほど良くない。

 非営利団体(NPO)のアクセス・トゥー・メディスン・ファウンデーションは、発展途上国の患者のために尽くす製薬会社の努力を追跡している。
 製薬大手20社のランキングでは、最下位6社のうち4社を日本企業が占めている。

 そうした状況が変わるかもしれない。
 11月8日、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)はマラリアと結核とシャーガス病(不気味で人の血を吸うサシガメを介して広まる病気で、死に至る可能性があり、多くの場合、衰弱をもたらす)の治療を促進させるための初の助成金交付を発表した。
 今年設立されたGHITは官民パートナーシップで、アステラス製薬、第一三共、エーザイ、塩野義製薬、武田薬品工業という日本の製薬会社5社が参加している。

 低所得国の医薬品へのアクセスを制限しているという製薬会社に対する批判は千年紀の変わり目にピークに達した。
 人の命を救うHIV治療薬のメーカー数社が、アフリカの患者に手頃な価格で薬を提供することを拒んだことがきっかけだった。
 その結果生じた激しい憤りを受け、製薬会社は方針の見直しを余儀なくされた。
 現在、大半の大手医薬品メーカーは自社を、ともに伝染病と戦う盟友として売り込んでいる。

■GHITが試みる新たなモデル

 それは時として、薬を寄付したり、ジェネリック医薬品のメーカーへの技術ライセンスの供与を意味する。
 また、それ以外のケースでは、新たなワクチンや治療の共同開発を意味する。

 例えば、アクセス・トゥー・メディスン・ファウンデーションの指標で1位にランクされている英グラクソ・スミスクライン(GSK)は来年、規制機関にマラリアのワクチンの認可を求める。
 ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(同財団はGHITファンドのパートナーでもある)がこの新薬の開発に資金を提供した。

 GHITファンドでは、日本企業5社は少々異なるモデルを試している。
 各社は5年にわたってそれぞれ年間100万ドルを拠出する。
 ゲイツ財団と日本政府からの投資と合わせると、ファンドは1億ドルを超える。

 この資金は、日本と外国の機関のパートナーシップに分配される。
 例えば、大阪大学とウガンダのグル大学の研究員たちは、提案されている別のマラリアワクチンの有効性を高めるために73万5000ドルを受け取る。

 同じようなすべての試みと同様、GHITにとって重要な問題は、新しく作られた薬がいくらになるか、だ。
 GSKは製造原価に5%を上乗せした金額でマラリアワクチンを販売する予定で、その利益は伝染病の研究に当てられるという。

 それでも、一部の提唱者はまだ価格が高すぎるのではないかと心配している。
 元エーザイ幹部で、現在GHITファンドを率いるB・T・スリングスビー氏は、同ファンドの研究プログラムで開発された医薬品は、最貧困国ではロイヤルティなしでライセンス供与されると話している。
 その他の市場では、概ね収支トントンを目指すという。

■いまの援助が将来の利益に

 しかし、これらの企業の善行は長期的な見返りを得られるかもしれない。
 日本勢はしばらく前から、海外で存在感を高めようとしてきた。
 武田薬品は2011年にスイスの医薬品メーカー、ナイコメッドを約140億ドルで買収した。
 2008年には第一三共が50億ドル近く投じ、インドの薬品メーカーのランバクシーを買収したが、ランバクシーはその後、安全性の問題に苦しめられている。

 それと比べると、GHITファンドはずっと小規模で、物議を醸す可能性の低い投資となる。
 だが、日本企業が米国や欧州の一流研究機関と関係を構築し、ゆくゆくは日本の医薬品ブランドを新興国市場の患者と保健省に広めることに役立つだろう。
 いまの援助は将来の利益につながるかもしれないのだ。

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【気になる-Ⅴ】


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2013年11月21日木曜日

世界が日本流の長期停滞に入る恐れ:世界的な貯蓄過剰という問題

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JB Press 2013.11.21(木)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39234

世界が日本流の長期停滞に入る恐れ
(2013年11月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 米国のローレンス・サマーズ元財務長官が、楽観論者の残党に大量の冷や水を浴びせかけた。
 先日開催された国際通貨基金(IMF)の年次調査会議にパネリストとして参加したサマーズ氏は、高所得国の経済が世界金融危機以前の通常の状態に戻ることは容易ではないかもしれないと述べたうえで、需要の慢性的な低迷と遅い経済成長という、不安を抱かせる将来像を描いてみせたのだ。

 いわゆる「長期停滞」に陥る可能性を指摘したのはサマーズ氏が初めてではない。
 思慮深いアナリストたちは金融危機以来ずっと、日本の「失われた10年」の二の舞いになるのではという恐怖を感じてきた。
 しかし、サマーズ氏の説明は実に華麗で、見事だった。

■長期停滞を恐れる理由:西方諸国に見られる3つの特徴

 同氏の説明を信じる理由は何か? 
 これについては、西側諸国に見られる3つの特徴を指摘することができる。

①.第1に、2007~08年の世界金融危機からの回復は明らかに弱々しい。
 米国の第3四半期現在の経済規模は危機前のピーク(もう5年以上前の話)を5.5%上回るにすぎない。
 また実質ベースで見た米国の国内総生産(GDP)は危機前のトレンドに対して後れを取っており、両者の差は拡大し続けている。

 しかも、超緩和的な金融政策が取られているにもかかわらず、このGDPの伸び悩みは長期に及んでいる。

②.第2に、金融危機で打撃を受けた国々は、危機の前には住宅価格の急上昇とともにレバレッジの急拡大を(特に金融部門と家計部門で)経験していた。
 いわゆる「バブル経済」である。
 また多くの国々(とりわけ米国と英国)の政府は拡張的な財政政策も取っていた。

 それにもかかわらず、行き過ぎを示唆する明らかな兆候――特にトレンドを上回る経済成長やインフレ率――は英国でも米国でも危機がやって来る前には一切見られなかった。

③.第3に、危機前の数年間には、世界経済が力強い成長を遂げていたにもかかわらず、長期の実質金利が著しく低い水準で推移していた。
 英国では長期の物価指数連動国債の利回りが、アジア金融危機の後に4%近い水準から2%前後に低下していた。
 世界金融危機の後にはマイナス圏に突入している。
 米国の物価連動国債(TIPS)の利回りも、少し後れながら同様な動きを見せていた。

 従って、金融システムの健全性をある程度回復させたり、危機前に積み上がった過大な債務負担を軽減したりするだけでは、完全な景気回復は実現しそうにない。
 
 なぜか? 

 それは、世界金融危機の前に見られた金融の行き過ぎが以前からの構造的な弱さを覆い隠していたから、あるいは筆者が論じてきたように、この行き過ぎ自体がそうした弱さに対応して生じたものであったからだ。

■世界的な貯蓄過剰という問題

 そうした弱さの1つに「世界的な貯蓄過剰」がある。
 これは「投資不足」と言い換えてもよい。
 低い実質金利がその何よりの証拠だ。
 生産的な投資を探し求めている貯蓄の方が、その貯蓄を利用する生産的な投資よりも多かったということだ。

 貯蓄過剰のしるしは「グローバルインバランス(世界的な経常収支不均衡)」にも表れていた。
1).東アジアの新興国(とりわけ中国)、
2).石油輸出国
3).およびいくつかの高所得国(とりわけドイツ)
による巨額の経常収支黒字(資本の純輸出)のことだ。

 これらの国々は、世界のほかの国々に差し引きでプラスの貯蓄を供給することになった。
 金融危機前はそうだったし、今日でもこの構図は変わっていない。

 世界金融危機が起きる前は、世界の過剰な貯蓄の大部分を米国が吸収していたが、生産的な投資に使われたわけではなかった。
 低利の資金を容易に借りられたにもかかわらず、米国の設備投資のGDP比は2000年以降低下した。
 この低下の理由の1つは、投資財の相対価格が下落したことにあった。
 実質ベースで見た設備投資のGDP比は安定していたが、名目ベースで見た比率は低下しているのだ。

 また、2000年直前の株式バブルの時を除けば、企業は設備投資の資金を自らの貯蓄から捻出しており、外部から調達する必要がなかった。

 そのため、米国に輸入される貯蓄は、家計部門と政府部門の借入という形で使われた。
 ところが、所得格差が拡大したことにより、家計部門の借入超過(つまり、貯蓄よりも借入の方が多い状態)に頼ることはさらに難しくなった。

 ほかの条件が同じであれば、この状況では家計部門の貯蓄は増えるはずだ。
 お金持ちは支出以上の所得を得ることが多く、さらにお金持ちになるにつれてさらに貯蓄をすることが多いからだ。

 この問題に対する(一時的な)解決策は、お金持ちでない人をそそのかして返済能力を超えた借金をさせ、支出を続けられるようにすることだった。
 しかし、2007~08年の金融危機でこの手法は破綻した。

 要するに、世界経済は、たとえ金利が極めて低くても企業が使いたいと思う以上の貯蓄を生み出してきたわけだ。
 これは米国だけでなく、大半の主要高所得国に当てはまる。

 こうして過剰貯蓄は足元の需要の制約になった。
 だが、これは投資の鈍さと関係していることから、将来の供給の伸びが鈍いことも意味している。
 この問題は危機以前から存在していたが、危機で一段と悪化した。

■長期停滞を回避するためになすべきこと

 では、何をすべきなのか? 
 投資に対する望ましい貯蓄の過多に対する1つの対応は、実質金利のマイナス幅を大きくすることだ。
 一部のエコノミストがインフレ率を引き上げるべきだと主張しているのは、このためだ。
 だが、それはたとえ政治的に容認できたとしても、達成するのが難しい。

 アンドリュー・スミザーズ氏が著作『The Road to Recovery(回復への道)』で強調したもう1つの可能性は、企業投資を妨げる障害に真正面から取り組むことだ。
 同氏が挙げる一番の元凶は、経営陣を生産的な投資を増やすよりも自社株買いを通じて株価を操作するよう促す「ボーナス文化」だ

 スミザーズ氏が考察し、多くのエコノミスト(筆者自身も含む)が支持する、また別の可能性は、今日の過剰貯蓄を資金源として利用して、公共投資を大幅に拡大させることだ。
 これは部分的に低炭素成長へのシフトと結びつけられるかもしれない。

 もう1つの可能性は、絶好の投資機会が存在するに違いない新興国・発展途上国への資本移動を促進することだ。
 これだけ膨大な世界の貯蓄が、一見したところ投資機会が存在しない場所にチャンスを求め、投資機会が存在すると期待される場所を避けることは意味をなさない。

 高所得国にただの金融危機以上のことが起きたという根本的な主張には説得力がある。
 また、こうした国での設備投資の急増がどうにかして世界の過剰貯蓄を吸収するとは考えにくい。
 結局のところ、人口が高齢化し、賃金が高く、経済が停滞している国々で、そんなことが起きると考える理由などあるだろうか? 

 危機が高所得国にもたらしたダメージは大きいが、これらの国はそれよりずっと大きな問題に直面する。
 かなり長期にわたり弱い需要と貧弱な供給が続く未来に向かうかもしれないのだ。

 つまり、最善の対応は、生産的な民間投資および公共投資を増やすことを目指した策だということになる。
 そう、確かにミスは起きるだろう。
 しかし、貧しい未来のコストを受け入れるよりは、ミスを犯すリスクを取った方がいい。

By Martin Wolf
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【気になる-Ⅴ】


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2013年10月26日土曜日

日本の女子高生・女性高齢者・アベノミクスが、先見性の高い経験と総括を提供する

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レコードチャイナ 配信日時:2013年10月26日 8時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78287&type=0

女子高生・女性高齢者・安倍首相、日本経済のバロメーターに―英紙

●24日、フィナンシャル・タイムズはこのほど、日本の女子高生・女性高齢者・アベノミクスが、欧州・北米の今後の社会・経済の課題に対して、先見性の高い経験と総括を提供すると指摘した。資料写真。

 2013年10月24日、新華網によると、フィナンシャル・タイムズ(ウェブ版)が14日に掲載したコラム
 「すべての国を不安に陥れる未来、日本から垣間見えるもの」
は、
 「日本の女子高生・女性高齢者・アベノミクスが、
 欧州・北米の今後の社会・経済の課題に対して、
 先見性の高い経験と総括を提供する
と指摘した。

 科学技術専門の月刊誌「ワイアード」は数年前より、「日本の女子高生の観察」と題するコラムを定期的に掲載している。
 同コラムはそれほど物議を醸す内容とはなっていないが、同コラムは
★.日本の女子高生を科学技術のオピニオンリーダーとし、
 彼女たちが現在使用している小物がその後世界で流行する
としている。

 しかしながら現在、
 「日本は、より懸念される諸問題において、世界の流れをリードしている」
 欧州・北米の政治家は、今後数年内に直面する可能性のある社会・経済・戦略の課題を理解したければ、日本を訪れるべきだ。

 他にも「日本の女性高齢者の観察」というコラムから、今後の課題を理解することができる。
 日本は平均寿命の上昇と出生率の低下に関する、警戒すべき教訓を提供してくれるからだ。
 この2つの傾向は日本で特に深刻だが、多くの豊かな国では程度に違いがあるが、同様の現象が生じている。
 日本の人口は2010年より減少を開始した。
 日本の人口は
 2060年には、現在の1億2700万人から8670万人に減少し、
 65歳以上の高齢者が40%を占める
見通しとなっている。
 また若者はさらに高額な税負担を突きつけられ、両親が手にしていたような安定した仕事をなかなか見つけられなくなる。

 これらの傾向は、多くの西側諸国から重視されるだろう。
 日本に次ぐ世界4位の経済国であるドイツの人口も、減少を始めている。
 人口面でまだ余裕がある米国でさえ、ベビーブーム世代の定年退職が、債務上限を押し上げている。

 米国の多くの政治家は、債務の対GDP比が100%に近づいた場合
 「国の最後に向けた戦い
が間もなく繰り広げられるとしている。
 彼らは日本を視察するべきだ。
 日本の同比率はすでに230%を上回っているが、国家は依然として秩序正しく、良好な運営を維持しているからだ。
 しかし日本は世界の金利上昇の影響を受けやすく、現在の極端に低い金利環境でも、
 その負債利子は日本の国家予算の約25%を占めている。

 鳴り物入りで登場したアベノミクスという過激な経済実験は、債務対応の一つの手段と言っても良い。
 安倍首相は物価上昇率を約2%にし、その後の経済成長で増加を続ける社会保障費を賄い、債務の対GDP比を低下させるための収入拡大を目指している。
 過激なエコノミストは現在、日銀のかつて静かだったホールを徘徊している。
 一方で、アベノミクスはマネタリーベースを約2倍に拡大しており、米連邦準備制度理事会と欧州中央銀行に慎重な対応を強いている。
 しかしアベノミクスの支持者でさえ、そのリスクが高いこと(資本の外部流出、市場恐慌、過度なインフレのリスクなど)を認めている。

 一部の過激な措置は確かに必要だ。
 今や日本の不動産市場・株式市場のバブル崩壊から20数年が過ぎ去ったが、日本経済はまだ活力を取り戻していない。
 むしろ日本は、超低金利など経済を支えるため講じた措置が、自国の問題を生んだことを意識した。
 日本は世界にゾンビ銀行(実質的に経営破綻した銀行)をもたらし、今や同様のゾンビ銀行が欧州で蔓延している。

 日本は複雑な多くの問題に直面しており、シンプルな経験と教訓を導き出すことは不可能だ
 しかしこれらの深刻な問題がありながらも、日本の現在のムードはかつてよりも楽観的だ。
 日本経済は4%に近いペースで成長しており、東京は2020年夏季オリンピックの招致に成功し、国民の士気を高めた。
 日本の女子高生と女性高齢者の観察は続ける必要があるが、日本には一人の注目すべき指導者が登場した。

(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)




【気になる-Ⅴ】


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2013年10月23日水曜日

海外居住者125万人:日本人百人に一人が外国暮らし中!、うそうそー

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●21日、日本の外務省が公表した報告書によると、2012年10月1日の時点で海外に住む日本人の数が過去最高を記録した。写真は上海。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月23日 6時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78191&type=0

海外在住の日本人数が過去最高に=居住先1位は米国、2位は中国―華字メディア
   
 2013年10月21日、日本の外務省が公表した報告書によると、2012年10月1日の時点で海外に住む日本人の数が過去最高を記録した。
 22日付で日本新華僑報網が伝えた。

報告書によると、2012年10月1日の時点で、3カ月を超える長期滞在者と定住者を含む海外で暮らす日本人の数は
 「124万9577人(前年比5.67%増)
に達し、過去最高を記録した。

 国別では、
①.米国に居住している日本人が最も多く、約41万人だった。
②.2位には中国(約15万人)が入り、
③.3位はオーストラリア(約7万8000人)
だった。

 都市別に見ると、
①.ロサンゼルスが最も多く約7万1000人、
②.続いて上海が約5万7000人、
③.ニューヨークが5万3000人
となった。


 ということはどういうことかというと、
 125万人/1億2700万人≒1%
となる。
 つまり日本人の百人に一人が現在外国に居住していることになる。
 まさに、すごい!
 計算間違いしていないだろうな。
 なんだか日本ってめちゃくちゃ外国化していないだろうか ?

 ちなみに、アメリカ・中国・オーストラリアの上位3国でちょうど半分を占める。



【気になる-Ⅴ】


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2013年10月22日火曜日

ノルウェーの墓が腐らない遺体だらけに

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GIZMODE 2013.10.15 22:00
http://www.gizmodo.jp/2013/10/post_13324.html

ノルウェーの墓が腐らない遺体だらけに

 ノルウェー全土でいつまで待っても腐らない死体が大きな社会問題となっています。
 原因はプラスティックのラップ。

 第2次世界大戦後30年間に渡り、ノルウェーの埋葬の現場では死体を幾重にもプラスティックのラップでぐるぐる巻きにして密閉してから棺におさめて黄泉の国へと送る手法が使われてきました。
 その方が衛生的と判断してのことです。

 ところが。

 何万体という遺体をぐるぐる巻きにして埋葬してから、ノルウェー政府の葬儀全般を司るトップの役人が恐ろしい事実に気づいてしまったのです。
 ラップでくるんだ死体はいつになっても腐らない! 
 墓の一等地にいつまでもゴロゴロ転がってる! 
 後で死んだ人間が入るところがない!
ということに。

 ノルウェーは欧州でも小さな国です。
 国土は貴重な資源。
 ラップ巻き埋葬第1号から20約70年でラップ巻き埋葬の墓は全土35万個にも及び、墓は狭くなるばかり*なのですが、政治家は墓場拡張には断固反対です。

 どうしよう。心配で死ねない!

 そこで腰を上げ解決に乗り出したのが、元墓場勤務のKjell Larsen Ostbyeさん。
 むかし化学の授業で習ったおぼろげな知識を手がかりに考案したのが、この解決策です。


●Kjell Larsen Ostbyeさんの地下石灰注入機(via Rehabilitation of Grave SitesRehabilitation of Grave Sites - PDF)


 そう。
 墓をブスブスと上から串刺しにしてラップに穴を明け、そこに石灰ベースの液をガンガン注入してやればみるみる腐敗が加速し1年も経たないうちに風化してあの世にいってくれるんじゃーあるまいか、というんですね。
 なんという斬新な策!

 実際やってみたらこれが見事的中でして、Ostbyeさんはこれまでにノルウェー全国数カ所の都市で延べ1万7000個以上の墓に串を指しあの世に送ってきたというのですから、もはや国民的英雄です。
 因みに墓1個につき所要10分で串は抜きます。費用は6万5000円。


131014Norway_overrunwith_corpses_injectionprocess.jpg
●注入プロセス図解(via Rehabilitation of Grave Sites - PDF)

 もちろん遺族には事前に許可をいただかないといけませんけど、断る遺族は数える程度。
 「ちょっとそれは…」という抵抗感は誰もが示すらしいのですが、結局はお願いしますってことになるようです。

 先立ったおじいちゃんの墓参りによく来る77歳の妻Berit Skrauvsetさんはウォールストリート・ジャーナルにこう語っています。

    これはいいことよ。
 未来の子どもたちのためにもなるしね。
 あのラップはやっぱり失敗だった。
 みんな誰しも自然に還りたい、そう願うものじゃない? 
 それにあの下に入ってしまったら(刺されても)何も感じないだろうし。
 そう思わなきゃね。

 気分が悪くなってしまった方もいるかもしれませんけど、まあ、ここまでフレッシュで長持ちさせられるなんてラップメーカーさんにとっては究極の宣伝かもしれませんね。

*補:欧州の一部小国では埋葬後20年経てば同じ墓地にルームメイトを受け入れなければならない仕組み(遺族が追加料金を払う場合を除く)。

[The Wall Street Journal(日本版)via Sarah Zhang]
Image: Shutterstock / jurasy

SHLEY FEINBERG(原文/satomi)
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【気になる-Ⅴ】


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「日本のマチュピチュ」竹田城の神秘

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●雲海に浮かぶ竹田城


ウォールストリートジャーナル     2013/10/17 7:01 pm
http://realtime.wsj.com/japan/2013/10/17/%E3%80%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%94%E3%83%81%E3%83%A5%E3%80%8D%E3%80%81%E7%AB%B9%E7%94%B0%E5%9F%8E%E3%81%AE%E7%A5%9E%E7%A7%98/?mod=WSJJP_Life_4_2_Left

「日本のマチュピチュ」竹田城の神秘

 近くを流れる川から朝もやが立ち込めるなか、山の上に堂々とそびえ立つ城壁。
 雲海に浮かぶ戦艦のようだ。

 兵庫県の竹田城跡を見学する人が増えている。
 大阪からだと、列車に3時間揺られた後、さらに1時間歩く必要がある。
 あるいは車で数時間だ。

 この城跡は、ペルーにあるインカ帝国の都市の遺跡を思わせることから、「日本のマチュピチュ」と呼ばれている。

 海抜354メートルの山の上にそびえる竹田城は、15、16世紀に建てられ、1600年ごろに廃城になった。
 おそらく最も驚くべきなのは、本丸石垣が数百年前に建てられた当初からほぼ損なわれていない状態で残っていることだ。

 ユネスコの世界遺産に指定された姫路城(兵庫県)といった国内のもっと有名な城と違い、石垣を見下ろしていただろう竹田城の本丸は大昔になくなっている。
 それにもかかわらず、城跡はなお神秘的だ。

 地元自治体によると、2005年度に同城を訪れた人は約1万2000人、1日当たり約33人だった。
 だが、その後、口コミ、インターネット、雑誌などでその存在が知られるようになった。
 12年公開の映画「あなたへ」(高倉健主演)のロケ地にも使われている。
 その結果、12年度に訪れた観光客は23万8000人近くに増加。
 今年度上半期(4~9月)には22万人を超えた。

 運よく雲海を見るためには、さまざまな気象条件を考慮しなければならない。
 秋や冬の日の出から午前8時の間には、朝の光にくっきり浮かび上がった姿を見られる幸運にめぐまれるかもしれない。
 だが、地元の記録によれば、昨年9~11月には、辺りはひと月に約10日は雲に覆われていた。

 竹田城跡を訪れる人の数は、昨年度に約71万人が訪れた姫路城のような有名な史跡に近づいている。
 訪れる人が増えれば維持費も増える。
 そのため、朝来(あさご)市は10月1日から観覧料を徴収することになった。
 だが、人気が衰えることはないようで、最近の3連休中の日曜日には推定7500人が訪れた。

 ある地元当局者は、30年にわたって竹田城の写真を撮ってきた経験に触れ、
 「人のいない竹田城を撮るのは難しい」
と言い、
 「紅葉もあるのでもっと多くの人が来る」
と話した。

記者:Hiroyuki Kachi

原文(英語):The Mystery of ‘Japan’s Machu Picchu’
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/10/17/the-mystery-of-japans-machu-picchu




【気になる-Ⅴ】


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2013年10月8日火曜日

米国の政府閉鎖:こんな国家運営はあり得ない

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●暫定予算が成立せず、政府機関の一部が閉鎖された〔AFPBB News〕


JB Press 2013.10.07(月)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38860

米国の政府閉鎖:こんな国家運営はあり得ない
(英エコノミスト誌 2013年10月5日号)

自由の国が、統治不能に陥りかけているように見える。もうたくさんだ。
米政府機関の一部閉鎖、情報機関の活動に「損害」 国家情報長官

 9月30日深夜、米国議会では、目前に迫った連邦政府機関の閉鎖について、誰もがほかの誰かを責めていた。
 どうなるのかと事態を見守っていた世界にとっては、非難の応酬は的外れだった。
 崖っぷちで揉めている時にまず問うべきなのは、
 「誰が正しいのか?」
ではなく、
 「一体こんな崖っぷちで何をしているのか?」
であるはずだ。

 政府機関の閉鎖自体は、困ったことではあるが、耐えられないものではない。
 治安関連の業務は継続されるし、年金も通常通り支払われる。
 国際宇宙ステーションの宇宙飛行士が呼吸できなくなることもない。

 280万人の連邦職員のうち、必要不可欠ではない業務についているおよそ80万人が自宅待機となり、さらに130万人が無給での勤務を求められている。
 暫定予算が成立し、資金の流れが回復するまでの間、不要不急の業務は休止されることになる。

 予算がすぐに成立すれば、経済的なダメージはそれほど大きくならないはずだ。
 恐らく、閉鎖1週間につき第4四半期の経済成長率が0.1~0.2%下振れする程度だろう。

 問題は、今回の閉鎖がもっと根深い問題の症状だということだ。
 すなわち、連邦議会が極端に二極化するあまり、麻痺状態に陥っていることだ。
 しかも、民主党と共和党が10月17日までに溝を埋められなければ、最悪の事態が訪れることになる。

 予算を巡る争いは、珍しいことではない。
 実際、連邦議会は1997年以降、正式な予算を期限内に1度も可決していない。
 だが、今回の争いは、新しい事態を表している。
 下院を支配する共和党が予算の成立を阻止しているのは、予算の内容に反対しているからではなく、全く別の争点に反対しているからだ。
 つまり、10月1日に主要部分の運用が開始された、バラク・オバマ大統領の医療保険改革(オバマケア)である。

 共和党の当初の要求は、オバマケアの財源をすべて奪い取ることだった。
 言い変えれば、自党出身の大統領の最大の成果をつぶすことを民主党に同意させようとしていたわけだ。
 民主党が同意するはずがない。

 予算成立の期限が迫ると、共和党は要求を後退させた。
 オバマケアの財源を奪う代わりに、オバマケアによる医療保険加入の義務づけ条項(加入しなければ罰金が科せられる)の1年延期を求める戦術に転じたのだ。

■予算の瀬戸際交渉がもたらす破滅

 その戦術は比較的穏当なように思えるが、2つの理由から、穏当とは言えない。

➀.第1の理由は、保険加入の義務づけを延期すれば、医療保険改革全体が破綻する恐れがあることだ。
 オバマケアは2本の柱に支えられている。
 1本目の柱は、全国民に対する保険加入の義務づけ。
 そして2本目の柱は、病歴を理由にした保険料の差別化を保険会社に対して禁じることだ。

 2本目の柱しか適用されなければ、病気を持つ人が大挙して加入する一方で、健康な人は病気になるまで加入を先送りするだろう。
 保険会社は、保険料を引き上げなければ経営が成り立たなくなる。
 多額の補助金なしには保険金が支払われなくなる。
 オバマケアは破綻のスパイラルに陥り、恐らく崩壊するだろう。
 一部の共和党議員にとっては、それこそが狙いなのだ。

②.第2の理由は、いま共和党議員が行っているやり方が今後の先例となるなら、米国は統治不能に陥ってしまうからだ。
 米国の有権者は、政府の一翼(下院)の支配権を共和党に与えることを妥当と判断したが、ホワイトハウスと上院の支配権は民主党に与えている。

 その程度にしか信認されていない党が、気に食わない法律を撤回しなければ政府機関を閉鎖するなどと脅せるようでは、合意がまとまったかに見えた法律でも、いつでも少数派により覆せるということになってしまう。
 ワシントンは恒久的に機能不全に陥り、米国は慢性的な不確実性を背負い込むことになる。

 事態はさらに悪化する。
 連邦政府の債務は、10月中に法定の「債務上限」に達する見込みだ。
 議会が上限を引き上げなければ、米国は遠からず、すべての支払い義務には応じられなくなる。
 言い換えれば、両党が協調できなければ、米国はどの支払い義務を不履行にするか選択せざるを得なくなる。

 歳出を大幅に削減し、景気後退を招く選択もある。
 もう1つは、債務をデフォルトすることもできる。
 後者の方がはるかに悪い結果を招き、政府機関の閉鎖どころではない、想像を絶するほどの害を及ぼすだろう。
 それほど常軌を逸した者は、まさかワシントンにはいないはずだが、どうだろうか?

■崖っぷちから引き返せ

 米国は世界の準備通貨を刷るという「法外な特権」を享受している。
 米国債は安全な投資先と見なされている。
 だからこそ、米国はこれほど安い金利で、これほど多額の金を借りることができる。
 そうした利点が、一夜にして失われることはないだろう。

 だが、なんらかの理由で信用度が傷つけば――ワシントンの茶番劇は間違いなくその理由の1つ――将来的に測り知れないダメージを受ける恐れがある。
 それは単に、米国が借り入れを行う際に、今以上の金利を払わなければならなくなるというだけではない。
 米国のデフォルトの影響は、全世界に及ぶ予測不可能なものになるだろう。

 デフォルトとなれば、金融市場に危険が及ぶ。
 米国債は、極めて流動性が高く安全な債券であるため、担保として広く利用されている。
 翌日物資金の調達の場である2兆ドル規模の「トライパーティー・レポ」市場において、投資銀行などの金融機関が借り入れの際に利用する担保の30%以上が米国債だ。

 デフォルトになれば、貸し手はさらに多くの担保や異なる種類の担保を要求するようになるだろう。
 それにより、2008年のリーマン・ブラザーズ破綻で生じたような、金融市場の心臓発作が起きる恐れがある。

 要するに、たとえオバマケアがティーパーティー派の言うほど悪いものだとしても、一部の共和党議員が主張しているように、債務上限を盾にその撤回を求めるのは、あまりにも無謀だ。

 では、どうすればいいのだろうか? 
 短期的には、共和党の下院議員は優先順位を整理すべきだ。
 オバマケアを巡る古い戦いを蒸し返さずに、きちんとした予算案を可決しなければならない。
 債務上限の引き上げ(廃止ならなお良い)に賛成する必要もある。

 オバマケアが本当に大失敗なら、共和党は2016年の大統領選と上院選に勝利し、通常の立法手続きに則って、オバマケアを撤回することができるはずだ。

■選挙制度の見直しも必要

 長期的には、米国は二極化という問題をどうにかしなければならない。
 この問題は、下院では特に深刻だ。
 というのも、多くの州では、各州の政治家が下院選挙区の区割りを決めているからだ。

 当然のことながら、政治家は自分たちにとって最も安全な区割りをする傾向がある。
 そのため、一般的な下院議員は、本選挙での敗北を心配することはないが、党内の予備選の対立候補に脅威を感じている。
 その結果、議員の多くは、他党との間で分別のある中道的な妥協点を模索するのではなく、自党内の過激派に迎合するようになる。
 これはまっとうな国の統治方法ではない。

 区割りを第三者機関に委ねるなどの選挙制度改革を実行しても、すぐに米国が統治可能な状態に戻ることはないだろうが、効果はあるだろう。
 米国はもういい加減、崖っぷちでの綱渡りを減らし、もっと良識を発揮すべきだ。

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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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2013年9月15日日曜日

死ぬまでに食べてみたい奇妙な食べ物20種類:フグに塩辛、そしてイナゴ

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●12日、人々の味の好みは異なることから、美食に対する定義は様々だ。なかには不思議なものを美味として食用する人もいる。英デイリー・メールが世界の様々な独特の食べ物を紹介している。


レコードチャイナ 配信日時:2013年9月15日 0時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76743&type=0

死ぬまでに食べてみたい奇妙な食べ物20種類―英メディア

 2013年9月12日、人々の味の好みは異なることから、美食に対する定義は様々だ。
 なかには不思議なものを美味として食用する人もいる。
 英デイリー・メールが世界の様々な独特の食べ物を紹介している。国際在線が伝えた。

1、日本―フグ
 命の危険をもたらす食べ物はそう多くはない。
 日本で最も有名なこうした料理の一つがフグだ。
 もし毒のある部分を取り除かなければ、命にかかわる。
 2000年以降、日本ではフグにあたって死んだ人は20人以上に達している。

2、オーストラリア―オオボクトウの幼虫(ウィチェッティグラブ)
 ウィチェッティグラブをおやつに食べると聞くと、びっくりするかもしれない。
 オーストラリア人はこれらの蛾の幼虫をウィチェッティグラブと呼び、先住民の伝統的な食べ物だ。

3、韓国―サンナクチ
 生きたタコを食べてみたくはないだろうか?
 サンナクチは伝統的な韓国料理で、タコを小さく切ったものだが、食べる時にはまだ動いている。
 そのため、時には飲み込むときにむせないようにしなければならない。

4、日本―塩辛
 子どもの頃、ブタのレバーの匂いを気持ち悪いと思ったなら、これは試さないほうがよいだろう。
 塩辛とは日本の料理の一つで、原材料は発酵させたイカの内臓などの海洋生物だ。
 食べる時には一口で飲み込んだ後、ウィスキーをあおる人が多い。

5、全世界―バッタ
 バッタはたんぱく質を多く含み、世界各地で人気だ。
 アジアの街角でも炒めたバッタが売られており、メキシコではChapulinesと呼ばれるバッタをライムやにんにくと一緒に食べるのが一般的だ。
 メキシコのスーパーチェーン、Wahacaのロンドン支店でも先月、バッタ料理の販売を始めた。

6、東南アジア―スネークワイン
 スネークワインは中国やベトナムなどで人気で、滋養強壮の効果があると見られている。
 ヘビを黄酒に浸すか、蛇の血などの体液を酒と混ぜて作る。

7、カンボジア―クモのフライ
ク モのフライはカンボジアの料理だ。
 慣れるのには時間がかかるだろう。
 クモのフライはライムや黒コショウで味付けして食べる。
 本の紹介によると、あるレストランでは毎週200匹以上のクモのフライを提供しているという。

8、中国―ピータン
 英語の名前は「100年卵(Century eggs)」だが、本当に100年も保存していたわけではなく、わずか数カ月なので安心して欲しい。
 それでも黄味が深緑色、白味が茶色に変わるには十分だ。

9、アイスランド―ツノメドリの心臓
 世界トップクラスのシェフ、Gordon Ramsay氏が2008年に撮影された番組内でツノメドリの心臓を食べた際に、問題となるような発言をして論議を呼んだことがあった。
 その後、視聴者42人が英国の監督管理部門に電話で抗議したという。
 いずれにせよ、ツノメドリの心臓はアイスランドの有名な料理だ。

10、韓国―ポンテギ
 幼虫がダメなら、ポンテギはどうだろう?こ
 の蚕の蛹は韓国の伝統的なおやつだ。

11、メキシコ―アリの卵
 テキーラはリュウゼツランという植物から作られる。
 しかしリュウゼツランの根元に巣食うアリの幼虫も食べることができるのはご存知だろうか。

12、中国―子供の尿で煮た卵(童子蛋)
 中国の童子蛋は世界で最も驚くべき食べ物の一つだろう。
 毎年春、中国浙江省東陽市では、子供の尿で煮たこの卵を食べる。

13、アラスカの一部地区―テパ(鮭の頭を内臓と発酵させたもの)
 「臭い頭」というあだ名のこのアラスカの伝統的な料理が流行しないのも無理はないかもしれない。
 この料理は現地のユピク人が主に食べるもので、魚の頭と内臓を地面に埋め、腐らせたものだ。

14、アイスランド―ハカートル
 「郷に入りては郷に従え」という言い方がある。
 アイスランドでこの言葉に従うなら、ハカートルを食べてみるべきだろう。
 これは魚を数カ月地面に埋めて自身の体液で発酵させ、その後細く切って干して乾かしたものだ。

15、中国・韓国―ネズミの子どもの酒
 ネズミの子どもの酒は滋養強壮に役立つ酒で、生まれたばかりの子ネズミを漬け込んで作る。

16、欧州―鶏のとさか
 鶏のとさかをディナーの食材にすると聞くと、それほど驚かないかもしれないが、イタリアでは「cibreo」と呼ばれる有名なソースの材料となる。
 鶏のとさかはフランスのグルメ界でも有名で、一般に料理の飾りとして用いられる。

17、スウェーデン―シュールストレミング
 スウェーデン人は発酵した酸っぱい味のニシンが大好きだ。缶詰を開けると強烈な匂いがするため、一般に屋外で食べる。

18、米国―ロッキーマウンテンオイスター
 聞いたことのない名前かもしれないが、この米国の料理は実は油で揚げた牛の睾丸だ。
 米国西部のカーボーイたちが好んで食べたといい、一般に祝祭日に食べたものだ。

19、ブラックアイボリーコーヒー
 去年、ブラックアイボリーコーヒーと呼ばれるコーヒーが500gあたり5500ドル(約54万8000円)と世界で最も高価なコーヒーとなった。
 こんなに高価なコーヒーなら美味しいのは当然だろうが、ひょっとしたらゾウの糞の香りもするかもしれない。
 なぜならこのコーヒーはゾウの糞の中のコーヒー豆を利用したものであるためだ。
 別名「象糞コーヒー」とも呼ばれる。

20、フィリピン―バロ
 ゆで卵や卵焼き、目玉焼きには飽き飽きした人は、この半分ひよこになりかけの卵のバロを試すとよいかもしれない。

(提供/人民網日本語版・翻訳/YH・編集/武藤)



AFP BBニュース 2013年09月14日 11:42 発信地:ソウル/韓国
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2968142/11337182

動くタコの足を「パクリ」、韓国でイベント 



●韓国・ソウル(Seoul)で行われた食品フェスティバルの宣伝イベントで、生きたタコを食べる男性(2013年9月12日撮影)。(c)AFP/JUNG YEON-JE

【9月14日 AFP】韓国・ソウル(Seoul)で12日、食品フェスティバルの宣伝を目的に、生きたタコを食べるイベントが行われた。(c)AFP

2013年9月13日金曜日

ボイジャー、太陽系外に=人工物体で史上初、36年間飛行のすえに

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●ボイジャー1号=米航空宇宙局(NASA)提供(AFP=時事)


jiji.com (2013/09/13-08:03)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013091300061

ボイジャー、太陽系外に=人工物体で史上初-77年打ち上げの探査機・NASA

 【ワシントン時事】米航空宇宙局(NASA)は12日、1977年に打ち上げた惑星探査機ボイジャー1号が太陽系外に出て恒星間空間を飛行していると公式に発表した。
 「人工の物体が恒星間空間に出たのは史上初めて」(NASA)で、ボイジャーは打ち上げから約36年かけて太陽から約190億キロの宇宙空間に到達している。

 発表によると、ボイジャーが恒星間空間に入ったのは2012年8月25日とみられ、太陽系外を約1年間飛行していることになる。
 現在も「太陽の影響をなお一定程度受けている」という。
 ボイジャー計画の研究者エド・ストーン氏は
 「新たに得られた重要なデータにより、恒星間空間への人類による歴史的な飛躍になったと確信している」
と話した。

 研究者らは太陽の影響を全く受けない宇宙空間にボイジャーが入る時期は不明だとしているが、ボイジャーに搭載した機器は少なくとも20年まではデータを地球に送ってくると見込んでいる。



CNN ニュース 2013.09.13 Fri posted at 10:19 JST
http://www.cnn.co.jp/fringe/35037181.html?tag=top;mainStory

ボイジャー1号が太陽系圏を脱出 人工物で初


●ボイジャーが太陽系の外へと飛んでいく(想像図)=NASA/JPL-CALTECH提供


●ボイジャー1号が太陽系圏の外に=NASA/JPL-CALTECH提供

CNN)
 米航空宇宙局(NASA)は12日、36年前に打ち上げられた探査機「ボイジャー1号」が、人工物として初めて太陽系圏から脱出したと発表した。

 太陽系圏は、太陽と惑星および太陽風と、外の宇宙とを隔てる磁場の境界を指す。
 ボイジャー計画を率いるエド・ストーン氏は、
 「ボイジャーは太陽系圏を離れて恒星と恒星の間の宇宙の海の航海に乗り出した」
とコメントした。

 今後は
 「恒星間空間の探査という初のミッション」(ストーン氏)
に取り組み、太陽風と別の恒星からの恒星風の相互作用についての研究に乗り出すという。

 米アイオワ大学などの研究チームが科学誌サイエンスに発表した論文によると、ボイジャー1号は2012年8月25日ごろに恒星間空間に入った。
 太陽系圏離脱はこれまでにも伝えられていたが、NASAが正式発表したのは今回が初めて。

 ボイジャー1号と2号は1977年に打ち上げられた。
 NASAによると、1号は現在、地球から188億キロ、2号は153億キロの地点にある。

 ストーン氏によれば、「太陽系」の定義には遠く離れて太陽を周回する彗星も含まれる。
 このため厳密に言えば、太陽系を離脱するまでにはあと3万年かかるという。
 約4万年後には太陽系外の恒星に接近する見通し。

 ボイジャーは1号、2号とも、宇宙人と遭遇した場合に備えて地球の画像や音声を記録した金色のディスクを搭載している。
 2号もあと3~4年で太陽系圏を脱出する見通しだ。

2013年9月1日日曜日

日本で生まれた「マック難民」が東南アジアに広がって

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●30日、日本で生まれた「マック難民」が東南アジアに広がっている。写真は上海のマクドナルド。


レコードチャイナ 配信日時:2013年9月1日 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76239&type=0

日本で生まれ、東南アジアに広がる「マック難民」―中国メディア

 2013年8月30日、中国でこのほど、地方から出て来た未婚の母親が女の赤ちゃんを連れて北京のケンタッキーで50日あまり泊り続けたというニュースが報じられた。
 店員によると、お客を追い払うことは社内の規定により禁じられているという。
 この事件をきっかけに、ネットユーザの間では「ケンタッキーなどのファストフード店は極めて良心的」という称賛の声が沸き起こった。
 実は、このような現象は最近始まったことではない。マクドナルドなどのファストフード店で「宿泊」する人々のことを指す「マック難民」という言葉は、随分前に生まれている。

○.日本で誕生、東南アジア各地に広まる

 「マック難民」とは、「マクドナルド難民」の略語で、かなり以前に日本で生まれた。
 マクドナルドなど24時間営業のファストフード店で「寝泊まりする」人々のことを指す。
 低収入ゆえアパートの家賃を払うことができない彼らは、街頭で野宿生活を送るよりも、冬でも暖かく居心地のよいマクドナルドでコーヒー1杯を買って宿代わりとするようになった。
 このような人々は、かつては「ネットカフェ難民」と呼ばれていたが、2006年にマクドナルドが24時間営業店を展開し始めた後、数百円かかるネットカフェより1杯百円のマックコーヒーの方が安いことから、ネットカフェからマクドナルドに「鞍替え」したのだ。

 同じく2006年、マクドナルドは中国で24時間店第1号店をオープンした。
 某メディアは同年12月、「北京の24時間営業マクドナルドは、帰る家のないホームレス達の住処となった」と報じた。
 翌2007年、香港や韓国のメディアでも同様の報道が行われ、景気が低迷する中、値段が安く衛生的なマクドナルドを「住処」とする低所得者がますます増えた。

○.大半はホームレス、一部は家に帰らない学生や観光客

 「マック難民」を構成しているのは、老若男女を問わない。
 彼らが「マック難民」になった経緯は各人各様だ。
 長期にわたりファストフード店に寝泊まりしている人々の多くは、家賃を払えない低所得者やホームレスだが、北京や上海などの大都市では、昼間は高級オフィスビルの建設現場で日雇い労働者として働き、夜はマクドナルドやケンタッキーなどの24時間営業ファストフード店で泊る農村からの出稼ぎ労働者も少なくない。
 また、ホームレスもファストフード店の「常宿」組で、この中には、小さい子供を連れた未婚の母親、帰る家も身寄りも無いお年寄り、保護者に棄てられたストリート・チルドレンも含まれる。

 香港では数年前、新しいタイプの「マック難民」が誕生した。
 意外なことに、彼らは自宅のあるサラリーマンだ。
 これらのサラリーマンは、自分のことを「遊牧民」と自嘲し、通勤が不便なことや労働時間が不規則であることから、仕事するのに便利なように身の回りの私物を会社に置き、着替えと洗面用品だけを持参して公衆浴場で身体や髪を洗い、仕事が終わった夜更けにマクドナルドに戻り朝を迎える。
 自宅に戻るのは休日だけだ。
 このほか、自宅が非常に狭い、同居家族との仲が良くないなどの理由で、家に帰らず長期間マックで寝泊まりしている人もいる。

 日本や韓国のメディアは「マック難民」について、「貧富の差の縮図、就業難の象徴であり、『隠れホームレス』である」という捉え方をしている。
 一方、中国では最終電車に乗り遅れたなど特別な事情で一時的にマックを利用する人のほか、徹夜で勉強する必要に迫られている大学生や、宿泊費用を節約したい観光客がマクドナルドで夜を明かすという状況がよく見られる。

 期末テスト前になると、大学周辺のマクドナルドやケンタッキーはテスト勉強に励む学生で朝まで満席になる。
 中国では自習室を24時間開放している大学は極めて少なく、たとえあっても座席の確保が至難の技であるため、周辺のファーストフード店は学生たちの「無料の自習室」になっている。

 また、24時間営業のマクドナルドは、一部の個人旅行客の「宿泊代無料のホテル」にも変身する。
 貧乏旅行者にとって、海外の空港内にあるファストフード店で臨時宿泊するのは、節約旅行のための技のひとつであると同時に、現地の実生活を体験する良い機会でもある。

○.マック活用法、東南アジアで特徴さまざま

 マック発祥の国・米国では、国内の都市・農村あまねく各地に展開しているファストフード店はその安さと速さと便利さで忙しい人々のお腹を満たしている。フ
 ァストフード店の経営戦略ポイントは、いかにして客の店内滞在時間を減らし、売り上げと回転率を最大限高めるかにある。
 欧米諸国では、ファストフード店内は「狭い空間」「坐り心地の良くないプラスチック製の椅子」など、長時間の「休憩」にあまり向かない設計になっている。
 利用客は食事を済ませるとさっさと店を出て、そこで長時間休もうという考えは根っから持ち合わせていない。
 居眠りしてしまった客がいても、「おやすみになるのなら、店を出て別の場所に移動して下さい」と促すことは、店員の「善意の」サービスと見なされる。

 このように、休憩には全く適していない欧米のファストフード店では、店で夜を明かそうとする客はほぼ皆無であり、そうしたいのなら、多くの人は公共の図書館やコーヒーショップがある本屋に行くという選択をするだろう。

 伝統的な飲食文化が色濃く残る東南アジアでは、有名な米国ファストフード店の優位性はほぼ皆無だ。
 しかし、マクドナルドやケンタッキーはアジア市場に参入するために、欧米市場とは全く異なる経営方式を採用し、店内を、顧客が寛ぎ、楽しめる公共スペースに変身させた。
 欧米人から見ると、アジアのファストフード店はコーヒー1杯で一日中過ごせる「終日寛げるコーヒーショップ」のような存在だ。

 米国式ファーストフード店は、「空間消費」というコンセプトに基づく経営戦略によって、アジア市場でのシェアを急速に拡大してきた。
 消費者にとって、マクドナルドを利用することにおいて、単に食ベ物や飲み物を消費するというより、清潔で整頓された心地よい空間を消費するということの方がより重要な意味を持っている。
 このため、アジアの消費者のファストフード店での滞在時間は、欧米の消費者よりも総じて長い。
 このような状況のもと、マクドナルドなどのファストフード店は、空間利用という点である種のパブリックイメージを作り出す必要が生まれた。
 店側は、消費額が少ない割には長時間テーブルを独占する客を決して追い出さないばかりか、彼らのために好ましい環境を創造し、さらにはマクドナルドを社交の場としたのである。
 このような経緯から、帰るべき家のない人を追い出さず、革製の心地よいソファーでもてなす東南アジアのマクドナルドは、彼らにとっての「長期宿泊所」となり、「マック難民」という特別な群体が形成された。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/TF)

2013年8月18日日曜日

米グーグルが描く「近未来ネット」:実現へ布石着々

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ロイター 2013年 08月 17日 10:06 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97G00O20130817

焦点:米グーグルが描く「近未来ネット」、実現へ布石着々

[サンフランシスコ 14日 ロイター] -
 太陽光で稼働する気球を成層圏に送り込むプロジェクトや、公園での無料Wi─Fi接続サービスまで、米グーグルは新たなネットサービスに静かに数億ドルを費やしている。
 そうしたサービスはいつか、電話会社やケーブル会社の脅威になる可能性がある。

 グーグルは先に、コーヒーチェーン大手スターバックスの全米7000店舗で無料Wi─Fiサービスを提供する計画を発表。
 これはいずれ、現在AT&Tが提供するサービスに取って代わることになる。
 また、ネット接続が困難な遠隔地向けのインターネットサービスを想定し、
 太陽光を利用した気球30個を南太平洋上の成層圏に飛ばした。

 昨年には、ミズーリ州カンザスシティーで秒速1ギガビットの高速インターネットサービス「グーグル・ファイバー」を実験的に開始。
 同サービスは間もなく、テキサス州オースティンやユタ州プロボでも展開される。
 複数の関係筋によると、同社はカンザスシティーでの利用者の反応に満足しており、グーグル・ファイバーをさらに複数の都市に広げる可能性もあるという。

 グーグルはモバイル端末に流す音楽や動画などのコンテンツを増やすに従い、それに必要な帯域の確保にも投資を増やしている。
 ファイバーのようなネット接続プロジェクトは、成熟段階にある検索ビジネス以上に売上高成長に寄与するかもしれず、効果的な広告には不可欠であるネット利用者の動向把握にも役立つかもしれない。

 一方でアナリストらは、グーグルは従来の得意分野から大きく外れた領域に足を踏み込もうとしており、結果として利益率が犠牲になる恐れがあると指摘する。
 AT&Tやタイム・ワーナー・ケーブルなど、既存の大手インターネットサービスプロバイダーを真正面から敵に回すことにもなりかねない。

 コンテンツプロバイダーは過去、インターネットサービスプロバイダーと衝突を繰り返してきた。
 動画ストリーミングサービスのネットフリックスは、ケーブル会社コムキャストが自社のコンテンツだけを優遇していると非難した。

 インターネットサービスプロバイダーが他社のオンラインサービスをブロックしたり遅くしたりすることを禁じた連邦規制は現在、ベライゾン・コミュニケーションズが裁判所に異議を唱えており、今後どうなるかは分からない。

 グーグルでアクセスサービス部門のジェネラルマネジャーを務めるケビン・ロー氏は
 「ユーザーはもっとスピードを欲しがっている。
 ウェブ上で可能なことに対する人為的な上限は求めていない」
と指摘。
 同氏は、カンザスシティーでのグーグル・ファイバーに手ごたえを感じているとしたが、同プロジェクトの加入者数や財務的な目標、拡張計画などの詳細については明らかにしなかった。

■<ファイバー>

 高速ネットワークの構築は、電柱の利用許可の取得で地方当局の協力が必要になるなど、面倒な手続きを伴う。

 また複数の業界関係者の話をまとめると、グーグル・ファイバーはまだ規模が小さく、提供されるオンラインサービスも数が限られていることで、電話会社やケーブル会社にとって差し迫った脅威ではなさそうだ。

 タイム・ワーナー・ケーブルのロブ・マーカス社長は今年4月、カンザスシティーでのグーグル・ファイバーの加入者数は4000世帯を超えたにすぎないとし、
 「(自社から)乗り換えた人の数は現時点では取るに足りない」
と語っていた。

 一方でAT&Tは同じ4月、グーグルと同様の認可が得られれば、テキサス州オースティンで同社も毎秒1ギガビットのネットワークを構築する準備ができていると発表していた。

 投資会社セコイア・キャピタルのパートナー、ビル・コグラン氏は
 「既存プレーヤーたちは(グーグル・ファイバーに)どう応じるべきか答えを見つ出そうとしているのだろう。
 もし規模が大きくなれば、間違いなく新種の競争相手になるからだ」
と語る。
 同氏はグーグルでエンジニアリング担当の上級副社長を務めていたこともあり、グーグル・ファイバーのプロジェクトにも関わっていた。

 今年の売上高が約600億ドルに達するとみられるグーグルの中でファイバーサービスが存在感を高めるには、大規模な展開が必要となる。
 100万世帯の都市を想定した場合、全体の20%が月額120ドルのグーグル・ファイバーに加入したとしても、売上高は2億8800万ドルにしかならない。
 全世帯の半数から契約を獲得できても年間売上高は7億2000万ドルだ。

 バーンスタインのアナリストCarlos Kirjner氏は、カンザスシティーで30万世帯にファイバーを届くようにするコストは1億7000万ドルと推計。
 仮に全米2000万世帯に拡大するとすれば、その費用は100億─150億ドルに膨らむとみている。

 インターネット接続事業に本格参入すれば、中核のネット事業では40%台半ばを誇るグーグルの営業利益率は、短期的には圧迫されることになる。
 ケーブル業界の標準的な利益率は30%台半ばだ。

 グーグル株を保有するグレーディアント・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、マイケル・ビンガー氏は、ファイバーへの現在の投資水準に不満はないとした上で、もし費用のかさむ全米高速ネットワークへの投資などに急速にかじを切るなら、
 「彼らがどんなビジョンを持ち、どう利益を出そうとしているか詳細を聞かなくてはならないだろう」
と語った。

■<気球>

 540億ドルに上る現金資産を保有するグーグルには、ファイバーや気球などの実験プロジェクトに投資する余力は十分にある。

 気球プロジェクトに取り組むのは、眼鏡型端末「グーグル・グラス」や自動運転システムなどの実験的プロジェクトに取り組む「グーグルX(エックス)」と呼ばれる部門。

 6月に開始した気球プロジェクトでは、特殊なアンテナを搭載した大きさ12メートルの気球を成層圏に浮かべ、気球同士と地上に設置した機器を接続してワイヤレスネットワークを構築する。
 最終的な目標は大規模な気球ネットワークを構築することだとしているが、アナリストらはこうしたネットワークの運用には、技術的にも規制面でも課題は多いと指摘する。

 また一部の投資家は、こうした実験的プロジェクトはリソースの無駄遣いだと厳しい。
 ニーダム・アンド・カンパニーのアナリスト、ケリー・ライス氏は
 「ウォール街には、大きな収益創出が実現しないであろうプロジェクトに投資するのはやめてほしいと考える人たちがいる」
と指摘する。

 ただ一方で、グーグル独自の高速ネットサービスは、動画共有サイト「ユーチューブ」など同社傘下の他のオンラインサービスには有益だとし、
 「インフラの環境が整えば出来ることは多い」
とも同氏は語る。

 ユーチューブは5月、月間視聴時間が60億時間に達したと発表。
 事情に詳しい関係筋によれば、数年以内に1日10億時間突破を目指しているが、そこに到達するにはネットのスピードが生命線になる。
 グーグルは、この件に関するコメントを差し控えた。

 グーグルの実験的プロジェクトに対し、これまで投資家はおおむね寛容だったが、その背景には、世界のスマートフォンの5分の4に搭載されるまでに成長したモバイル端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」など、過去に成功したケースがあるからだ。
 一方で、「グーグルTV」など鳴かず飛ばずの製品もある。

 アナリストらは、グーグルはネット接続サービスに乗り出すことで、オンライン上の消費者動向をより正確に把握できるようになり、それが効果的な広告や製品作りに生かされると指摘。
 調査会社ガートナーのアナリスト、イアン・キーン氏は
 「ネットワークプロバイダーになってトラフィックをモニターし、人々が何をしているのかを見れば、いち早く情報をキャッチできる」
と述べた。

 グーグルは、ニューヨークやサンフランシスコなどの都市で、市が管理するWi─Fiネットワークに資金を提供している。
 スターバックスに提供する無料Wi─Fiサービスでは、現在店舗で使えるWi─Fiの10倍のスピードを実現するとしている。

 グーグルがスターバックスとの契約を発表した時、現在のWi─Fi提供者であるAT&Tは、同社もサービスのアップグレードを申し出たとし、今後もスターバックスには各種サービスを提供していくと説明していた。
 14日時点で、AT&Tからはそれ以上のコメントは得られていない。

 グーグルは今後、スターバックスの独自オンラインコンテンツサービス「スターバックス・デジタル・ネットワーク」の新バージョン開発でも協力する。それによってグーグルは、音楽など自社が配信するコンテンツのプロモーションや、ターゲティング広告で有利な立場を得ることになるだろう。

 フォレスター・リサーチのアナリスト、チャールズ・ゴルビン氏は
 「彼らはこうした取り組みをインターネットコミュニティーのためにしているのではない。
 彼らの目線の先にあるのは、これらの取り組みが作り出す全体像だ」
と語っている。

(Alexei Oreskovic記者 翻訳;宮井伸明 編集;伊藤典子)




【気になる-Ⅴ】


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2013年8月13日火曜日

世界の観光客数ランキング、中国は3位に:国連世界観光機関

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●12日、シンガポールの有名な観光旅行ウェブサイト「relax」が国連世界観光機関(UNWTO)による世界で最も多くの観光客が訪れた国家のランキングを発表した。写真はフランス・パリ。


レコードチャイナ 配信日時:2013年8月13日 17時7分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75505&type=0

世界の観光客数ランキング、中国は3位に―国連世界観光機関

2013年8月12日、シンガポールの有名な観光旅行ウェブサイト「relax」が国連世界観光機関(UNWTO)による世界で最も多くの観光客が訪れた国家のランキングを発表した。

2012年、中国は5770万人で、2位のアメリカ(6770万人)、1位のフランス(8330万人)に続く3位に入った。以下がトップ10のランキング。

1位、フランス・8300万人
2位、アメリカ・6700万人
3位、中国・5770万人
4位、スペイン・5770万人
5位、イタリア・4610万人
6位、トルコ・3570万人
7位、ドイツ・3040万人
8位、イギリス・2930万人
9位、ロシア・2570万人
10位、マレーシア・2470万人

(提供/人民網日本語版・翻訳/YH・編集/武藤)




【気になる-Ⅴ】


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2013年8月6日火曜日

「ジブリの呪い」:日本の株・外為投資家が身構える放映直後の大荒れ

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●ジブリの「天空の城ラピュタ」の一場面


ウオールストリートジャーナル     2013年 8月 02日 10:32 JST 更新
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323451804578642561445230042.html
  By     TAKASHI MOCHIZUKI AND KANA INAGAKI

日本の株・外為投資家が身構える「ジブリの呪い」

 【東京】スタジオ・ジブリという名を耳にすれば、大抵の日本人は「千と千尋の神隠し」や「となりのトトロ」といったヒット作を次々に生み出してきたアニメ制作会社を思い浮かべるだろう。

 だが、株式と為替のトレーダーはそれとは別に陰鬱(いんうつ)なイメージも連想するはずだ。

 日本テレビ系列で毎週金曜夜9時から放送される映画番組「金曜ロードShow!」では、数週間に1度ジブリのアニメ作品が放映されるが、ベテラン市場関係者によると、
 放映後の東京市場で株・為替市場が大荒れになるという。

 特に、円相場のアナリストはジブリのアニメが放映される2日について、最悪の事態が起きると予想している。
 7月の米雇用統計がほぼ同じ時間帯に発表されるからだ。
 ジブリの「天空の城ラピュタ」の放映開始は日本時間2日午後9時(米東部午前8時)で、雇用統計はそれから30分後に発表される予定。
 ところがジブリ作品の放映と重なった9回の雇用統計の発表のうち8回が市場予測を下回った。
 そして7回で、ドルは円に対して下落したのだ。

 例えば、「魔女の宅急便」が放映された2011年7月8日の金曜日。
 予想を86%下回る雇用統計が発表され、ドルが円に対して1.2%下落した。
 さらに週明けの月曜日には、日経平均が前週末比0.7%安となった。


●玩具店の棚に置かれたトトロのぬいぐるみ

 「ジブリが金曜にやる、それはつまりドル円相場が荒れるという認識はファクターとして持っている」
と話すのは、都内の仏系保険会社に勤務する中村維男(ゆきお)さん。
 趣味で外国為替取引を手掛ける小口投資家の1人で、
 「ジブリ映画の放映自体は特に見ないが、リスクヘッジという観点で、放映されるスケジュールは常にチェックしている」
という。

 ジブリのアニメがテレビ放映されると株や為替相場が荒れるという都市伝説は、トレーダーの間では「ジブリの法則」あるいは「ジブリの呪い」と呼ばれている。
 日テレの「天空の城ラピュタ」放映を目前に控えて、ネット上の掲示板やツイッターなどは既に、この話題についての投稿で盛り上がっているようだ。
 中には、日テレは放映日と米雇用統計日が同じ日になるように放映スケジュールを仕組んでいるのではないかといった陰謀説を唱える向きもある。

 日テレの広報担当者にコメントを求めたが、コメントに値しないと言われてしまった。
 また、スタジオ・ジブリも、市場でそのようなうわさが広がっていることには気付いているとしながらも、やはりコメントを控えた。

 ジブリの法則を信じている人々は、異様ともいえる的中度を指摘する。
 日テレは2010年1月以来、ジブリ作品を24回放映してきた。
 そして、3分の2近くで、放映後の最初の取引日には東京市場で円高が起こり、また約半数の場合で株価が下落した。

 日本市場ウォッチャーはなぜそのようなことが起こるかについて、それぞれ持論を展開している。

 商品取引情報会社の大起産業で商品アナリストをしている小菅努氏もジブリの法則を独自に分析した一人。
 雇用統計の発表で不安定さが増すのは確かだが、ジブリ放映日後の数日の為替レートの振れは放映のなかった場合と比べて、著しく大きいというほどでもないという。
 ただ、ジブリ放映日が雇用統計発表と重なることがよくあるため、熱狂的なアニメ・ファンの多い日本では、「心理的に」両方を結び付けて考えてしまう傾向があると指摘する。

 実際、このように相場と相関性のある要因を示した話は世界中の市場のどこにでもある。
 その中でも最も有名なのは太陰周期に基づいた古い相場格言だ。
 それによると、満月になる前後の数日に相場の方向性が変わることが多いという。
 また、トレーダーは1世紀以上にわたり、太陽とその黒点の活動を観察し、相場の転換点の測定に活用していた。
 日本にも変わった説がある。
 市場のブロガーは、バレンタインデーには必ずと言っていいほど日経平均株価が上昇すると指摘する。

 もちろん、ジブリの法則に影響を受けていると公然と認めるプロのディーラーには、ほとんどお目にかからない。
 ただし、日本の大手銀行に勤務するあるシニア・ディーラーは、同業他社の中には法則に従って「宝くじの感覚で」個人的な投資をしている者もいると、こっそりと打ち明けた。

 一方、小口のデイトレーダーや気軽に為替取引を楽しんでいる個人投資家には、法則を信じ、大損を避けるためにポジションを閉じると話す人もいた。

 東京に住むある主婦は「時々はこういうネタで取引するのは楽しい」と、ジブリ作品が放映される時だけは、米雇用統計が予想を下回ると読んで為替投資をする。
 そして、5度のうち4度は儲けが出たという。

 また、大阪を拠点としているあるデイトレーダーは、ジブリの法則のことは2006年に株関係のネット掲示版で初めて知ったと話す。
 当時、「天空の城ラピュタ」放映中に「バルス」という滅びの呪文が叫ばれた時には「戦慄が走った」という。
 そして、
 「もしあの時にポジションを閉じていなかったら数百万円単位のロスを出していた。
 翌週火曜日に再エントリーしたが、そのポジションは結局数百万の儲けを出した。
 10人ほど投資仲間がいるが、ラピュタの恐ろしさを話題にしたのをよく覚えている」
と真顔で語った。

 米雇用統計発表と同じ日に「金曜ロードShow!」で「天空の城ラピュタ」が放映されるのは十数年ぶり。
 日本のデイトレーダーは万全の構えで放送を待っている。




ウオールストリートジャーナル     2013/08/05 3:52 pm
http://realtime.wsj.com/japan/2013/08/05/%E3%80%8C%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%AA%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87%E3%80%8D%E5%86%8D%E3%81%B3%E7%9A%84%E4%B8%AD%E3%80%81%E3%80%8C%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%80%8D%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%88/?mod=WSJBlog&mod=WSJJP_Blog

「ジブリの法則」再び的中、「バルス」ツイートも新記録

 2日に発表された7月の米雇用統計で非農業部門就労者数が予想より弱かったことで、
 東京のトレーダーたちは再び「ジブリの法則」に直面させられた。

 「呪い」と呼ばれることもあるこの法則によると、スタジオジブリの映画が日本テレビ系列で放映されている時間に米国の雇用統計が発表されると結果は市場予想を下回るという。

 まさに2日に起こったのがこれだ。
 ジブリの「天空の城ラピュタ」が放映されている際に発表された7月の米雇用統計は、非農業部門就労者数が前月比16万2000人の増加にとどまり、アナリストによる事前予想の18万3000人増を大きく下回った。
 さらに悪いことに、米労働省は5、6月の就労者数を計2万6000人下方修正した。

 「ジブリの法則」はここ数年、少なくとも米雇用統計の弱さを示す予言者として、不気味なほどその正しさが証明されている。
 2010年以降、雇用統計の発表と放映が重なったのは10回で、そのうち9回で統計は予想より弱い結果を示した。
 2010年以降発表された44回の雇用統計のうち、市場予想を下回ったのは全部で26回。

 例外の1回は今年7月。
 2010年から2012年まで毎年7月、雇用統計はジブリと重なり、結果はいずれも弱かった。
 ゆえに、日本市場のウォッチャーは8月もジブリの法則があてはまらないだろうと予測していた。

 クレディ・アグリコル銀行の斎藤 裕司外国為替部ディレクターは
 「先週、雇用統計までの数字が良かったので、雇用統計に対するマーケットの期待値は高く、一部では20万人以上を見込んでいる向きもあった」
と述べた上で、
 「全く科学的でないのはみんな知っているが、冗談半分でジブリの法則あたったね、とは話していた」
と明かした。

 反応が早かったのは外国為替市場だった。
 ドル相場は対円で雇用統計発表前に1ドル=100円にじりじりと近づいていたが、発表後に急落し、1ドル=99円を下回る水準まで値を下げた。
 一方、米株式相場は前日終値を上回って引けた。

 JRTは、先週のウォール・ストリート・ジャーナルの取材で、テレビをつけながらジブリの法則に従って取引をすると話した東京のフランス系保険会社に勤務する中村維男(ゆきお)さんに話を聞いた。
 中村さんは、統計発表前に50万ドル(約4900万円)を対円で売った。
 仮に法則が正しければ、雇用統計は悪く、ドルは下落するはずだからだ。
 結果、中村さんは25万円の利益を手にした。

 中村さんは
 「ロジカルでないのは知っているが、ここまで歪みのあるアノマリーは実に興味深い」
と話す。

 いくらか為替取引をしている主婦の浅野素子さん(39)は数週間前にジブリの法則を耳にし、この法則に賭けた。
 浅野さんはJRTに対し
 「ジブリに乗ったというのも少しある。
 知っちゃったからには完全に無視できない」
と語り、取引で4万円を手にしたと付け加えた。

 2日のジブリ映画はもう1つの意味でも注目に値するものだった。
 ミニブログサイト「ツイッター」を介したファンの参加が記録的なものになったのだ。

 「天空の城ラピュタ」には特に熱狂的なファンがいる。
 こういったファンは、ヒーローとヒロインが映画で「バルス」という呪文を唱えるのと同時に、この言葉をツイートする伝統がある。

 2011年に「ラピュタ」が放映された際、「バルス」は毎秒2万5088回ツイートされ、最高記録を達成。
 しかし、今年の正月、3万3388回ツイートされた「あけおめ」に記録を塗り替えられた。

 そして2日、ツイッターによると、「バルス」は毎秒14万3199回ツイートされ、再度記録を更新した。

 ネットを介したコミュニケーションに長けているネチズン(ネット市民)のみならず、アマゾンジャパンや日本ケンタッキー・フライドチキン、シャープといった企業の公式アカウントもこの言葉をツイートした。
 「バルス」は滅びの呪文だ。
 ヤフージャパンはウェブサイトに「バルス」ボタンを作った。
 このボタンをクリックすると、画面が粉々に砕け、スクリーンから崩れ落ちていくように見える。
 ちょうど映画で「バルス」の呪文がラピュタの城の崩壊を引き起こすように。

 ツイッターによると、日本国外からも投稿があったという。

山 梨県在住の和田英樹さん(32)は
 「フェイスブックでバルスをした。
 バルス祭りを知ったのはテレビ放映終了後だった」
と話す。
 「ジブリの作品の中で、ラピュタは他の作品とは何かが違う、とにかく特別」
だと言う。

 ツイッターはJRTに対し、ツイートの総数の割り出しに特別な努力をし、記録的な速さでそれができたことを明かした。

広 報担当の斉藤香氏は
 「現地ではすでに夕方だったが、サンフランシスコのサーバー担当者に急ぐようお願いをした」
と述べ、
 「やってくれたが、『こういう作業は本来時間がかかるんだ』と言っていた。
 アメリカにとっては、これは急ぎの案件では全くないので…」

と笑いながら語った。
記者:Takashi Mochizuki

原文(英語):The Curse of Ghibli—and ‘Balus’ Fans—Strike Again
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/08/05/the-curse-of-ghibli-and-balus-fans-strike-again/




【気になる-Ⅴ】


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