●7月31日、中国経済は今、モデルチェンジ・アップグレードの重要な時期に差し掛かっており、政府はサービス貿易の大々的な発展を、未来の発展の重点としている。写真は湖北省武漢市で開かれたアニメ・漫画関連のイベント。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年8月1日 22時10分
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アニメを大産業にした日本、中国は経験と課題を参考に―中国メディア
2013年7月31日、中国経済は今、モデルチェンジ・アップグレードの重要な時期に差し掛かっており、政府はサービス貿易の大々的な発展を、未来の発展の重点としている。
そのうちアニメ貿易の成長の潜在力は軽視できないものだ。
中国のアニメ産業は、2004年から始まった。
中国は2011年に日本を抜き、世界最大のアニメ生産国の玉座に輝いた。
中国人漫画家の作品も、日本の主流マンガ市場に進出した。
経済参考報が伝えた。
日本は「アニメ王国」として知られ、そのアニメ製品の生産高は世界の60%を占め、テレビで日本のアニメを放映したことのある国は100カ国を超える。
日本のアニメ産業の最新状況はどうなっているのだろうか?
どのような新しい特徴が生まれているのだろうか?
日本のアニメ産業の発展に影響する要素には何があるだろうか?
中国企業はそこからどのような有益な経験を学べるだろうか?
◆日本のアニメ市場の規模が縮小、アニメの商品化が進む
日本のアニメ産業は狭義と広義の2種類の市場規模に分かれる。
狭義のアニメ市場規模は、アニメ制作会社の売上高、広義のアニメ市場規模は顧客がアニメ関連商品に支払った金額に基づき統計をとる。
日本の狭義のアニメ市場規模は2005年に2314億円というピークに達し、その後は低迷を続け、2010年には1528億円と、大幅に縮小した。
◆広義の市場規模、大幅な縮小は無し
日本の広義のアニメ市場規模を観察すれば、状況がそれほど悲観的なものではないことが分かる。
日本のアニメ産業の市場規模のピークは2008年に現れ、1兆4058億円に達した。
2010年は1兆3205億円となり、依然として2005年の1兆2916億円を上回った。
広義のアニメ市場規模には、小幅の縮小しか生じていないことが分かる。
◆アニメ作品の商品化
日本のアニメ市場規模はやや縮小したが、アニメ作品の商品化が日増しに強化されていることに注目すべきだ。
アニメキャラクター商品の小売市場規模は、2010年に前年比9.2%増の6421億円に達し、過去最高を記録した。
◆制作技術・市場開拓・融資・知的財産権の保護
経済のグローバル化と技術の急速な発展に伴い、日本アニメ産業は制作技術・市場開拓・融資制度・知的財産権の保護の面で、次の新たな特徴を見せている。
(1).アニメ制作、情報・通信技術を融合
1990年代、パソコンの普及とアニメ制作ソフトの開発に伴い、日本のアニメはデジタル化制作水準を大幅に引き上げた。
(2).二次利用市場の発展
アニメ作品は一次利用と二次利用という、二つの形態に分かれる。
一次利用市場は主に、テレビ放送・映画公開によりアニメ創作の目的に達する。
二次利用市場は、アニメ作品とアニメ産業チェーンにおけるアニメ編集、DVD制作、関連商品の開発を一体化し、アニメの開発利用を深化する。
日本では現在、マンガ出版とアニメ制作のみに依存する一次利用市場において、すでに画期的な進展が実現できなくなっている。
一方で二次利用市場はより多くの収入をもたらし、特にアニメ関連商品の売上高は高額にのぼる。
アニメ作品の二次利用市場は、日本のアニメ産業に新たな活力をもたらすと言える。
(3).製作委員会、リスク分担のメカニズム
アニメ産業はハイリスクの産業だ。
例えば、テレビ向けの21分間のアニメ作品は、100人が3カ月以上をかけて制作する必要がある。
仮にアニメ作品が視聴者に受け入れられなければ、制作会社はコストを取り戻せず、さらには大量の負債を背負い込む可能性がある。
1990年代になると、アニメ制作で分担するリスクを下げるため、
日本で独創的な製作委員会方式が制定された。
製作委員会方式のメリットはこうだ。
▽.その他のアニメ制作会社に投資を行っている企業にとっては、一つのアニメ作品への投資額を大幅に減らすことで、より多くの作品に投資する選択の余地が残せる。
▽.アニメ制作会社にとっては、制作の経費が工面しやすくなる。製作委員会方式の導入により、日本では近年独立局系アニメ作品が増加している。
(4).アニメ作品の知的財産権の保護を重視
アニメの主な収入源は、アニメの関連商品だ。
ゆえに知的財産権の保護が十分でなければ、海賊版が正規版の市場シェアを奪い、アニメ映画の著作権を侵害し、関係者が得るべき報酬を得られなくなる。
日本は近年、知的財産権の保護に全力を尽くしており、国内のアニメ著作権保護の法制度を整え、さらに頻繁に国際提携を進め、アニメ産業の健全な発展を保証している。
◆日本アニメ産業の問題点
日本の狭義のアニメ産業市場規模は2005年以降に低迷を続けている。
市場競争の激化、アニメ制作の大量の外注、アニメ人材の不足、経営赤字などが、その根本的な原因と見られる。
(1).海外市場の競争の激化
アニメ大国の米国は、日本のアニメ産業のライバルだ。
米国の他に、韓国や中国といったアニメ新興国の急発展も、日本のアニメ産業に激しい競争を強いている。
同時に日本のアニメ産業そのものが抱える問題もまた、さらなる発展を制約し始めている。
(2).アニメ産業、制作の空洞化
多くのアニメ企業は近年、制作費を削減するため、アニメ原作の作図や着色といった初期制作を中韓や東南アジア諸国の制作会社に外注している。
多くのアニメ作品の初期段階の業務が、中国、韓国、フィリピンなどのアジア諸国に流出しており、海外への依存度が高まっている。
この長期的な外注により、日本本土のアニメ制作者、特に若者は基礎的な業務の訓練機会が減少し、アニメ制作の堅固な基礎を築けず、結果的にアニメ産業の制作の空洞化が生じている。
(3).低給与、アニメ人材が流出
日本のアニメ制作会社の多くは中小企業だ。
中小企業基盤整備機構が2006年に626社を対象に実施した調査によると、資本金5000万円未満のアニメ制作会社が全体の88%を、従業員が100人未満の会社が90.6%を占め、ほとんどが中小企業だった。
アニメ制作の中小企業は熾烈な競争の中で、自社の従業員をコスト削減の対象とせざるを得ず、結果的にアニメ制作者が安月給となっている。
(4),深刻な赤字
▽.まずマンガが出版され、そのマンガがアニメ化し、テレビで放送される。
▽.制作者は作品の著作権を持ち、これを対外的に販売し、アニメシリーズの関連商品を生産・販売する。
▽.アニメ作品の著作権の販売で利益を獲得すると、制作者はアニメ商品のさらなる開発を進め、最終的に新たなアニメを開発する。
このような良性の循環が存在するが、近年はアニメ制作会社が雨後の竹の子のように出現している。
またアニメ作品がテレビや映画で発表される時間は限られているため、アニメ制作会社は放送時間を巡り熾烈な競争を繰り広げている。
多くの企業は、製作委員会もしくはテレビ局から突きつけられた、厳しい条件をのまざるを得ない。
アニメ作品への投資とその生産高は比例せず、アニメ制作チームの積極性がそがれている。
中国のアニメ産業は近年急速に発展している。
日本のアニメ産業の市場規模はやや縮小しており、新たな問題が表面化している。
しかし中国は、日本アニメ産業がブランド樹立、制度のイノベーション、資金回収、市場開拓、キャラクターのPR、アニメの二次利用で、中国が真剣に学習し参考にすべき、多くの貴重な経験を持っていることを認識しなければならない。
(提供/人民網日本語版・翻訳/ YF・編集/武藤)
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