2013年6月15日土曜日

2100年世界の人口:現在の1.5倍、109億人へ:食糧は間に合うのか?

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『
TBSニュース (14日22:55)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5358328.html

世界の平均寿命、2100年に81.8歳に 

国連は、世界全体の平均寿命が2100年には81.8歳に達し、世界人口が100億人を突破するとの予測を発表しました。

 国連経済社会局が13日に発表した予測によると、2100年の平均寿命は、韓国が95.5歳、香港が94.9歳、日本が94.2歳と、上位3位までをアジアが占め、最も短い西アフリカのシエラレオネでも69.4歳と予測、世界全体では81.8歳になるとしています。

 また、2100年には世界の人口は現在のおよそ72億人から109億人にまで増えるとし、食料などの問題が世界各国の重要な課題となるとしています。
』

 2100年に「約110億人」になるとしたらどうなる。
①.食糧は間に合うのか
②.地球という生態系が110億人という人口を抱えらるのか。

 それだけの人口を食わすために自然破壊が進行し、汚染などで環境が破壊されていくだろう。
 さらには世界的飢餓がおとずれ、食糧の取り合いとなり、
 世界が食糧を奪い合う熱い戦争になることが予想される。
 
 遺伝子食糧が深く普及し何とか食料供給を支えようとするが、この激甚気象の中では突然の水害や干魃が地球を襲うだろう。
 食糧生産が「自然に依拠」している限り、自然を無視した生産量を求めることはできない。
 それを超えた生産をすれば、自然は反撃に転じてくる。
 2100年は明るい世界にはならない。
 日本も韓国もブラジルも生態系が人口抑制に動いている。
 自然が人口の多いさに反撃して、言い換えると『遺伝子の反撃』が起こっている。
 労働力ばかりを追い求める昨今の風潮では、人口減は成長を生まないということだが、常識的に考えて、未来に向かって永劫「成長を続ける」なんてことが許されるわけがない。
 そんなことをすれば、地球は人間で埋まってしまう。
 増えたものはとこかで減少に転じる。
 多くの国ではそれがやってきている。



【気になる-Ⅴ】


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2013年6月11日火曜日

輸出減少がアジアを恐怖させる:米国、欧州、中国の「需要低迷」という現実

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●12日、ロイターは、米国、欧州、中国の需要低迷がアジアの新興国の輸出減速を招いていると報じた。国内経済が好転で輸入が増えている東南アジア諸国は一転、貿易赤字に転落しようとしている。写真は江西省のアパレル工場。

『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月17日 0時17分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73334&type=0

輸出減少がアジアを恐怖させる―英メディア

 2013年6月12日、ロイターは、
 米国、欧州、中国の需要低迷がアジアの新興国の輸出減速を招いていると報じた。
 14日、参考消息網が伝えた。

 米国、欧州、中国の需要減、コモディディー商品の価格急落により、ここ数カ月、アジア諸国の輸出は不振が続いている。
 主要指標は今後数カ月、この状況が続くことを示している。
 東南アジア諸国がこの減速の影響を最も強く受けている。
 輸出不振と同時に、良好な国内経済が輸入増を招き、貿易収支は急速に悪化。
 投資家たちを不安にさせている。

 先週、マレーシアは4月期の輸出統計を発表した。
 前年同月比3.3%減という驚くべき結果となり、貿易黒字は1997年のアジア経済危機以来最低となった。
 このままいけば16年ぶりとなる貿易赤字が出現することになる。

 フィリピンの4月期輸出統計はより深刻で、前年同月比12.8%減と暴落。
 すでに貿易赤字を記録している。
 ただし経済は高成長を続けており、5月期は7.8%とアジア最高の伸びとなった。
 インドネシアは13カ月連続で輸出が縮小、4月にはついに貿易赤字となった。
 タイの輸出も伸びが減速しており、1月期には記録的な水準の貿易赤字を記録している。

 中国も5月期の統計を発表したが、輸出の伸び率はここ1年で最低となった。
 中国は輸出国であると同時に、その他のアジア諸国から商品を受け入れる輸入国でもある。
 その中国経済の減速は、アジア諸国からの輸入の減速につながるとみられる。

 また、米連邦準備制度理事会(FRB)が見せる金融緩和政策縮小の動きも、東南アジア諸国に衝撃を与えた。
 米国の金融緩和は東南アジア向けの低利融資を激増させてきたからだ。

 ある経済アナリストは
 「これがアジアの新しい現実だ。
 今後、輸出は以前のようなものとはならないだろう」
とコメントしている。
』




【気になる-Ⅴ】


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2013年6月8日土曜日

中国のハイレベル人材流出数は世界一:海外滞留率は平均87%



●6日、中国の中央人材業務協調グループ弁公室の責任者はこのほど、「中国のハイレベル人材の流出数は世界で最も多く、うち、科学やエンジニアリングなどの海外滞留率は平均87%に達している」と指摘した。写真は2012年末、深センで開かれた人材招聘関連のイベント。

『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月7日 17時27分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73064&type=0

中国のハイレベル人材流出数は世界一、
先進国は人材招聘を強化
―中国メディア

2013年6月6日、中国の中央(政府)人材業務協調グループ弁公室の責任者はこのほど、取材に対して
「中国のハイレベル人材の流出数は世界で最も多く、うち、科学やエンジニアリングなどの分野の海外滞留率は平均87%に達している」
と指摘、
「世界では人材競争がさらに熾烈になっており、中国は、臨機応変な政策と構造をもって、世界的な人材競争に積極的に参加しなければならない」
との見方を示した。
人民日報が伝えた。

1949年に現在の中国が建国されてからの約60年、特に改革開放(78年)以降の約30年の間に、中国はヒューマンリソースが欠乏している国から、膨大な保有量を誇るヒューマンリソース大国へと発展した。
中国科学院(CAS)はこのほど、
▽.生物・生物化学
▽.コンピューター
▽.物理
▽.農業
▽.数学
▽.化学
の6分野における、世界のハイレベル科学技術イノベーション人材1907人を対象に分析を実施。
現在職に就いている人材の比率を表した国別のランキングで、中国は物理や数学、コンピューターなどの分野で、優位に立っており、うち、物理は9位、数学は8位に付けていることが明らかになった。
つまり、中国は「人材強国」の道を歩むための、しっかりとした基礎を既に築いていると言えるだろう。

しかし、中国のハイレベル人材の流出数は世界で最も多く、うち、科学やエンジニアリングなどの分野の海外滞留率は平均87%に達している。
同責任者は、
「中国は人材の規模や、構造、資質などの分野で、世界の先進国や経済社会発展の必要と比べると、まだ不足している部分が多くある。
特に、ハイレベルのイノベーション型人材が不足しており、イノベーションや起業の能力が不足している。
また、人材構造や配置が合理的でないだけでなく、人材の発展体制・構造の障害も取り除けていない。
さらに、ヒューマンリソースの開発なども不足している」
と強調。
「これらは、人材強国戦略を実施する際、重視し、解決すべき問題」
と指摘した。

現在、世界では人材の競争がさらに熾烈になっており、「人材戦争」勃発の気配が漂っている。
また、先進国の多くが、移民政策の緩和などを通して、人材の呼び込みや引き留めの力を強めているだけでなく、人材競争の中に割って入る発展途上国も多く登場している。
一方、中国政府が近年、「千人計画(海外ハイレベル人材招致計画)」を実施しているのを背景に、100万人近い留学生が中国に帰国しており、うち、ハイレベル人材が2万人以上いる。
そのため、同責任者は、
「この流れを保ち、臨機応変な政策と構造をもって、世界的な人材競争に積極的に参加しなければならない」
と強調した。

■専門家「先進国がハイレベル人材招聘を強化している」

行政学院の劉旭濤(リウ・シュータオ)教授は、
「現在の世界の競争は、突き詰めて言うと人材競争。
先進国はまだ金融危機の余波から抜け出せていないものの、人材、特にハイレベル人材招聘(しょうへい)の手は緩めるどころか、逆に強化している。
これは、産業転換の真っただ中にある中国にとっては、さらに効果的な政策や対策を実施し、海外に留学したさらに多くの人員が、帰国し、中国の発展に寄与するよう、決意を強めなければならないという警告のシグナル」
と指摘している。

一方、中国のハイレベル人材が大量に流出している原因について、まず、
「海外は科学研究などの面で、多くのメリットがあり、成果を出しやすいため、多くの留学生が、留学後そのまま海外に残っている」
ことを挙げた。
また、
「このような現状は、中国の関連の部門が、人材誘致関連の政策を制定する際、『人間本意』であることをさらに突出化させ、イノベーションや起業のための土壌を整えなければならないことを教えている。
現在、『千人計画』の成果が少しずつ出始めているほか、2012年に政府が打ち出した、ハイレベル人材をサポートする政策『万人計画』も、好調な出だしを見せている。
今後、さらに臨機応変な政策が継続的に実施されるにつれ、さらに多くのハイレベル人材が中国に戻り、中国が世界的な人材競争において、一層有利な立場に立つようになると信じている」
との見方を示している。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/内山)
』

 常識的に考えると、中国の海外留学生は帰国しないほうがいい。
 過去にこういう例はあった。
 北朝鮮である。
 多くの在日朝鮮人が故国の発展の希望に燃えて勇躍帰国したが、結果は悲惨なものだった。
 もし、海外で相当な生活を保証されるなら、中国帰国はやめたほうがいいように思う。
 おそらくそれが分かっているから「87%」という滞留率が表示されるのであろう。
 海外で自由な空気を肌に触れたら、帰る気にはならないだろう。
 香港での反中国運動の高まりをみてもわかる。
 中国に帰るのは、中国政府が目をつけた非常に優秀な学生か、あるいは留学先で職にあぶれたて、帰るしか手がないという、レベルの低い学生であろかと思う。

『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月8日 17時5分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73127&type=0

<中国人が見た日本>
日本が誇る数多くの世界一、中国との差は歴然


●5日、中国の外交問題研究家の王衝氏は、「日中の差、日本は世界一をいくつ有しているのか」と題した記事をブログサイトに掲載した。写真は大学生ボランティアに勉強を教わる安徽省淮北市の農村の子供。

 2013年6月5日、中国の外交問題研究家の王衝(ワン・チョン)氏は、
 「日中の差、日本は世界一をいくつ有しているのか」
と題した記事をブログサイトに掲載した。以下はその内容。

 中国のGDP(国内総生産)は急速に伸び、総合的な実力も絶えず成長している。
 それはとても喜ばしいことであり、中国人として当然誇りに思うべきことだ。
 しかし、喜んでいるばかりではいけない。
 日本にはわれわれよりも進んでいる分野が数多くある。

 まずエネルギーの消費効率だ。
 1kgの石油が生み出すエネルギーの価値を計算すると、日本が10.5ドルで世界一。
 この数字は中国の7~10倍に相当する。
 1990年以降、研究開発費用がGDPに占める割合も日本が世界一。
 労働人口1万人当たりの研究者の数も、日本が世界一だ。
 日本の小学校入学率100%や中学校入学率99.5%も世界一。
 大学教育を受けた人の数が総人口の48%に上り、基礎教育の充実が平均的に文化レベルの高い日本人を生み出している。

 科学技術や経済以外の領域でも、日本は世界一を誇っている。
 なかでもわれわれが最も考えなければならないのは日本のソフトパワーだ。
 日本の国家イメージは世界一。
 森林率は64%で世界一。
 中国の森林率はわずか18%で、世界平均の22%にも及ばない。
 日本は長寿世界一の国であり、世界で最も政治的にクリーンな国の1つでもある。
 さらに、世界で最も公平な所得分配の国であり、所得分配の不平等さを示すジニ係数はわずか0.285しかない。

 1980年代初めならば、日本の世界一はさらに多かった。
 日本経済が低迷しているといっても、決して衰退していないことは、こうした数々の輝かしい数字が証明している。
』



【気になる-Ⅴ】


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2013年6月7日金曜日

日本の報告「2050年も中国は中進国」:中国は、強くなればなるほど不安を感じる


●6日、日本経済研究センターは先日の報告で2050年も米国が世界の牽引役を果たし続ける一方で、中国は米国を抜くのは困難で「中進国」にとどまるとの見方を示した。写真は上海市。

『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月6日 20時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73063&type=0

日本の報告「2050年も中国は中進国」、
中国専門家「一種の注意喚起」と反論―中国メディア

 2013年6月6日、世界の多くの国の研究機関が中国は今世紀半ばに米国に追いつき追い越すと次々に予測する中、日本経済研究センターは先日の報告で2050年も米国が世界の牽引役を果たし続ける一方で、中国は米国を抜くのは困難で「中進国」にとどまるとのネガティブな見方を示した。
 環球時報が伝えた。

 日本メディアによると、この予測は政治の安定性、市場の開放性、女性の労働参与率、経済・社会制度などを基に導き出された。
 報告は2050年の実質国内総生産(GDP)について、
 米国が27兆3000億ドル(約2720兆7000億円)で世界首位を保ち、
 欧州が24兆1000億ドル(約2401兆7900億円)で続くと予測。
 米国は起業のしやすさなどで高い生産性を保ち、欧州は女性の活躍が経済成長に貢献する。
 中国は人口減少や外資規制などが足かせとなり9兆6000億ドル(約956兆7200億円)。
 日本は4兆7000億ドル(約468兆3900億円)で中国の半分程度になる。

 日本経済研究センターは日本について3つの可能性を示した。
 第1は「停滞シナリオ」で、制度改革の遅さ、労働力の減少が経済停滞を招く。
 外国の市場開放不足、投資規制が日本経済に影響を与える。
 第2は「成長シナリオ」で女性や高齢者の労働参与率の向上、制度改革、競争強化によって中国を追い抜き、米国とEUに次ぐ世界一流の経済大国としての地位を保つ。
 第3は「破綻シナリオ」で、守旧的政策と制度改革の停滞が経済破綻を招く。

 日本経済研究センターは1958年に日本経済新聞社内に設置された「経済研究室」を前身とし、1963年に非営利の民間研究機関として正式に発足した。
 現会長は杉田亮毅・前日本経済新聞社会長、理事長は岩田一政・元日本銀行副総裁。
 日本の学界、政界、経済界と幅広い関係にある。
 2007年には2020年までに中国がGDPで米国を追い抜き、世界最大の経済大国になると予測した。
 当時同センターは中国について、2020年から労働人口が減少し始めるため、
 経済成長率も次第に減速して2040年代には1%前後
にまで落ち込むと予測した。

 日本経済研究センターのこうした報告の真の意図は、日本国内の改革推進を呼びかけることにあるだろうとアナリストは指摘する。
 中国国際戦略研究基金会の張沱生(ジャン・トゥオション)氏は4日、
 「日本は中国に追い抜かれて、非常に複雑な気持ちを抱くようになった。
 中国は自らの問題を解決できるとの楽観的見方もあれば、苦境を脱することができないとの悲観的な見方もある。
 この報告は悲観的な見方に基づくものだろう」
と指摘。
 「こうした見方は恐れるものではなく、中国にとって注意喚起とすることができる。
 筋が通っているのなら、われわれが改革を押し進めるうえでの参考意見とすることができる。
 筋が通っていないのなら、取り合わなければいい。
 中国は経済モデル転換の問題をしっかりと解決し、引き続き改革を押し進めてこそ、こうした悲観的な見方を打ち消すことができる」
と述べた。

 このほか、中国外交部(外務省)の洪磊(ホン・レイ)報道官は4日、
 「現在中国は踏み込んだ経済調整を行っている。
 中国の目標はより良く、より速い経済成長を促すことであり、現在経済運営状況は全体的に良好だ」
と表明した。

(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)
』

 欧米諸国の研究機関が中国の成長を過大評価するのはウラに何か意図があるように感じるのはおそらく私だけではあるまい。
 もしその意図とは何かと問われると答えに窮するが、おそらくは
 『ホメ殺し』
ではないだろうか。
 中国に引っ張るだけ引っ張らせてしまおう、という算段ではなかろうか。
 おだてておだてて、吐き出すだけ吐き出させてしまおうと思っているように見える。
 中国はそのおだてにウマウマと乗ってしまっているような感じさえする。
 ハッツと気がついたとき、中国はボロボロになっている
っていう可能性もある。
 ということは、将来未来が見通せないということになる。
 西欧諸国は中国という新興国をうまく使って、最後は使い捨てる可能性が大だということである。
 中国の生き血を吸いながら、
 しばらくはあまりエネルギーを使うことなく西欧諸国は生き延びるつもり
ではないだろうか。
 

『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月10日 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73115&type=0

中国は強大になればなるほど不安を感じている―英紙


●5日、英紙フィナンシャル・タイムズは、中国は強大になればなるほど不安を感じていると報じた。写真はミャンマーとの国境を守る中国雲南省の国境警備部隊。

 2013年6月5日、英紙フィナンシャル・タイムズは、中国は強大になればなるほど不安を感じていると報じた。
 7日、環球時報が伝えた。

 中国を強力無比な大国とみている人々にとって、
 この国は隣国を虐げ、世界中の資源をかっさらう存在に見えるだろう。
 しかし中国政府自身はむしろ不安に駆られているのだ。

①.第一に中国には友人が少ない。中国は14の国家と隣接しており、その国境線は2万2000平方キロメートルに達している。
 しかも隣国はいずれも中国とは微妙な関係にある国ばかりだ。

②.さらに問題なのは、歴史的に見て中国は今ほど外部に依存したことはない。
 1990年代半ばまで中国は基本的に自給自足を達成していた。
 しかし今では他国の石油や大豆などに依存している。
 それら海外の商品がなければ中国は高成長を実現することはできず、また民衆の日増しにふくれていく期待も満足させることはできない。

③.そしてもう一つ、中国の政治指導者は海外の問題ではなく国内の問題に精力を注いでいるが、国内では中国経済の改革という極めて困難な課題に直面している。

 もちろん中国自身も自らが強大な力を得たことには気づいている。
 習近平(シー・ジンピン)国家主席は米中が「新たな大国関係」を築くべきだと呼びかけたが、豪胆でなければこのような提案はできないだろう。
 ただしこれだけは注意しておくべきだ。
 中国は強大でまったく隙がない。
 世界がそう思っていても中国自身の見方は正反対だ。
 強大になればなるほど、中国は不安を感じているのだ。
』

『
Financial Times 2013.06.07(金)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37965

中国が抱く優越感と不平不満

(2013年6月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 1773年12月16日、アメリカ大陸の愛国主義者の一団が3隻の英国船に乗り込み、数百個の荷箱をボストン湾に投げ込んで紅茶を廃棄した。
 後にボストンティーパーティーとして知られるようになったこの反乱は、アメリカ革命の画期的な出来事だった。
 この革命は茶会事件の数年後、米国が植民地支配から抜け出した時に勝利を収めた。

 1839年の広東阿片パーティー(そう呼ばれたことは1度もないが)は、それほど勝ち誇った終わりは迎えなかった。
 清朝の欽差大臣を務めていた林則徐は、ビクトリア女王に手紙を書き、なぜ英国は中国人に「毒」を売ることにそれほど躍起になるのか尋ねた。
 返事が来ないと、林則徐は2万箱の阿片に火を付け、海に流すよう命じた。

 英国はこれに激怒して軍艦を送り込み、中国は屈辱的な南京条約に署名することを余儀なくされた。
 条約によって、中国は英国政府に賠償金を支払い、5つの「条約港」を開港し、香港島を割譲した。林則徐は追放の身となった。

■2つの反乱がもたらした正反対の結果

 アメリカの反逆的行為が偉大な国家――そして2世紀に及ぶ楽観主義――を誕生させたのに対し、中国の反乱は、王朝の崩壊、日本の侵略、長期にわたる貧困の時代の到来を告げることになった。

 歴史というものは、敗者の方により大きくのしかかるものだ。
 6月7日に米国のバラク・オバマ大統領と会談する中国の習近平国家主席は、1世紀半以上に及ぶ屈辱の時代に醸成されてきた国民の期待を背負っている。

 同時に、中国が抱く明白な運命感は、米国のそれ以上に強い。
 確かに中国の方が米国より古く、半ば神話的な過去5000年間に及ぶ、途絶えることのなかった漢民族の歴史を通して広がっている。

 ぐつぐつと煮え立つ不平不満が、世界の序列における自国の支配的地位に対する確信と混ざり合うと、強い酒のような強烈な力になる。
 だが、中国が時として国際舞台で見せる自信満々の態度とは対照的に、中国政府は多くの意味で、今ほど無防備に感じたことはない。

 中国のことを、
 隣国をいじめたり、
 世界中から容赦なく資源を吸い上げたりすることを厭わない巨人
と見るようになった多くの人にとっては、これは意外に思えるかもしれない。

  ニューヨーク・タイムズ紙は最近、『China's Silent Army(中国の沈黙の軍隊)』の著者であるヘリベルト・アラウージョ氏とフアン・パブロ・カルデナル氏の寄稿を掲載した。
 このコラムは、多くの発展途上国をその勢力圏に取り込んだり、圧倒したりすることに余念がない国家を描いている。

 ある中国企業は先週、スミスフィールド・フーズに47億ドルの買収案を提示し、大胆にも米国のベーコンとソーセージさえも平らげようとした。

■世界の中国観と中国の世界観

 だが、北京から見た景色は、こうした状況が暗示するよりはるかに不安に満ちたもののようだ。

①.第1に、中国にはほとんど友人がいない。
 中国は14の国に隣接しており、守るべき国境は2万2000キロに及ぶ。
 周囲を取り巻くのは、モンゴルや核武装したロシア、インド、北朝鮮など、中国と不安定な関係にある国々だ。
 対照的に、米国には隣接する国は2つしかなく、どちらも友好国だ。

②.もっと悪いことに、中国は今、自国を前進させ続けるために、かつてないほど他国に依存している。
 1990年代半ばまでは、中国は多かれ少なかれ自給自足できていた。
 今は、それがなければ猛烈なスピードの発展を維持することも、人々の高まる野心を満たすこともできない石油、銅、鉄鉱石、大豆、その他多くのコモディティー(商品)を他国に依存している。

 オーストラリアの元駐中国大使ジェフ・レイビー氏は、昨年メルボルンのモナシュ大学で行った講演で次のように表現した。
 「中国は今、その歴史上初めて、
 自国経済を回し続けるために、
 あらゆるものを外国の市場と外国人に完全に依存している」

 清朝の乾隆帝が1793年に英国王ジョージ3世の特使が持参した陶磁器をあざ笑い、中国は外国のつまらないものに用はないと断じたことを思い出すといい。

 中国は、ほとんどそうと自覚することなく、鄧小平が1970年代後半に改革開放政策を打ち出した時に想像していた重商主義の大国から、今やリカルドの比較優位や国際分業の概念と深く結びついた国に変貌を遂げている。

 そのため中国は、レイビー氏の言葉を借りるなら、「非常に制約の多い国」になっている。
 対照的に米国は最も急速な発展を遂げていた時、人間を除けば、成長するために必要な資源をすべて持っていた。
 そして足りない人間については、自発的に欧州から、強制的にアフリカから連れてきた。

③.最後に、習氏をはじめとした中国指導部は、対外問題よりも国内問題のことで頭がいっぱいだ。
 中国経済は、指導部が強力な利権と戦わねばならない、痛みを伴う変化を経験している。
 中国人がより豊かになる――あるいは周りの人たちが富を得るのを見る――につれ、彼らは単なる景気拡大に満足しなくなっているように見える。

 しばしば指摘されるように、中国政府は、国防費よりも国内の治安維持費に多くの資金を使っている。

 シドニーのローウィー国際政策研究所の安全保障専門家リンダ・ジェイコブソン氏は、中国の外交政策を「受け身」と評し、中国を台頭する大国と見なす世界の見方と、国内問題で頭がいっぱいの指導部との間に隔たりがあると指摘する。

■強くなればなるほど不安を感じる国

 国内問題が積み上がり、諸外国への依存度が高まっているにもかかわらず、明らかに中国は自国の強さを感じ始めている。
 習氏は、中国と米国が「新しいタイプの大国関係」を築くことを提言している。
 これは内気な国の提案とはほど遠い。

 それでも、諸外国が中国のことを強大で無敵の存在と見なすようになっているのに対し、中国政府が抱く自己像は正反対だ。
 この事実は、欧州とのソーラーパネル紛争からサイバースパイ行為に対する米国からの非難に至るまで、あらゆる問題に中国がとのように対処するかに関係してくる。
 中国は、強くなればなるほど不安を感じるのだ。

By David Pilling
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』



【気になる-Ⅴ】


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2013年5月17日金曜日

原発1.7%、過去最低=12年度の電源別発電量

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『
jiji.com (2013/05/17-12:44)
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2013051700415

原発1.7%、過去最低=12年度の電源別発電量

 電気事業連合会(電事連)は17日、電力10社の2012年度の電源別発電電力量構成比を発表した。
 東京電力福島第1原発事故を受けた原発停止の影響で、原発が発電電力量(9408億キロワット時)全体に占める割合は前年度比9.0ポイント減の1.7%に低下し、比較可能な1975年度以降で最低となった。

 一方、原発停止で稼働が増えた火力発電は、
①.液化天然ガス(LNG)火力が3.0ポイント増の42.5%と過去最高を更新。
②.石炭火力は2.6ポイント増の27.6%、
③.石油など他の火力は3.9ポイント増の18.3%
にそれぞれ高まった。
 太陽光など新エネルギーは0.2ポイント増の1.6%だった。
』





【気になる-Ⅴ】


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2013年5月16日木曜日

インドの怒れる若者たち:この国に未来はあるのか? 壮大な無駄の実験

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●インドは人口が多いだけではなく、若い〔AFPBB News〕


●昨年12月には、残虐な集団暴行事件に抗議する大規模なデモが起きた〔AFPBB News〕

『
JB Press 2013.05.16(木)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37791

インドの怒れる若者:壮大な無駄
(英エコノミスト誌 2013年5月11日号)

 インドはいかにして世界最大の経済的なチャンスを無駄にしようとしているのか。

 過去35年間というもの、何億人もの中国人が成長を続ける都市部で、重労働が多いとはいえ生産的な仕事を見つけてきた。
 この目を見張るような労働力の動員は過去半世紀で最大の経済的事象だった。
 世界はこれほどの規模の出来事を見たことがなかった。

■人口抑制の妙案は深夜のテレビ?インド閣僚

 では、世界が再び、このような一大現象を目にすることはあるだろうか?
 その答えは、ヒマラヤ山脈を越えたインドにある。

 インドは古代文明の1つだが、若い国でもある。
 中国では昨年、生産年齢人口が300万人減少したが、インドでは年間で約1200万人ずつ増えている。
 インドは向こう10年以内に世界最大の潜在労働力を抱える国になる。

 楽観的な向きは、被扶養者に対する労働者の割合が高まり、所得に対する貯蓄額が増えることにより、大きな「人口ボーナス」が得られることを期待している。
 この組み合わせは恐らく、東アジアの奇跡の3分の1程度を担った。著名な政治家のカマル・ナート氏は2008年刊行の著作『インドの世紀』で、「インドは文字通り、時間を味方につけている」と書いた。

■悲観的になる理由

 しかし、インドの夢想家は若者を信じているが、インドの若者にしてみると、国に不信感を抱く理由が大きくなっている。
 インド経済は国民の願望を高めながら、その後、願望を満たせずに終わっている。
 2005年から2007年にかけて、インド経済は年間約9%ずつ成長した。
 2010年には、中国をも凌ぐ急成長を遂げた(両国経済が同じ方法で測定された場合)。

 だが、それ以降、成長率は半減した。
 もう一方の「人口ボーナス」であるインドの驚くべき貯蓄率も落ち込んでいる。
 気がかりなことに、次第に多くの家計貯蓄が金融システムを完全に迂回し、インフレの難を避けるために、金その他の現物資産に逃げ込んでいる。

 国民会議派が率いるインド政府が前回、真剣に経済を自由化させた1991年には、今のインド国民の4割以上がまだ生まれていなかった。
 彼らの抱える不安は、インドの老いた政治家にとっては無縁に思えるに違いない。
 閣僚の平均年齢は65歳だ。
 インドが独立してから生まれた首相は今までにいない。

 このトレンドを覆す可能性があるラフル・ガンジー氏は、父親、祖母、曽祖父がインドの首相を務めた人物だ。
 インドは高齢の指導者とその子孫、つまり白髪頭(grey hair)と跡取り(groomed heir)によって統治されているのだ。

 特に若い女性の扱われ方について警察が見るからに無関心なことは、
 新しいインドを守れない古いインドのあり方を浮き彫りにした。

 必要な改革のリストは、お馴染みのものだ。
✡.意思決定の合理化と汚職防止に関する施策、
✡.中央銀行にインフレ抑制の自由を与える財政規律、
✡.現在、金融システムが失っている貯蓄を取り戻すための銀行改革
などだ。
 政府は投資を促すために、土地取得に対する取り組みを見直す必要がある(土地取得については現在、欠陥のある法案が審理中だ)。

 また、政府はエネルギー産業の障害を取り除く必要もある。
 インドの新しい発電所も、燃料となる石炭とガスが国内に十分ないと、あまり価値がない。

 こうした改革は、すべてのインド国民とインド経済の全分野に恩恵をもたらすだろう。
 しかし、特に重視すべき産業転換がある。
 世界銀行の元チーフエコノミストで、現在は北京大学に籍を置くジャスティン・リン氏によれば、
 中国で労働人口が減少し、賃金が上昇するにつれ、
 最大8500万人分の製造業の雇用が他国へ流れる可能性があるという。

 ここに、職にありつけないインドの若者のチャンスがあるに違いない。
 そうした仕事がインドに来てはならない理由などあるだろうか?

 その答えは、急速に台頭する他のアジア諸国と比べると、インドには適切な企業や労働者があまりに少なく、不適切な規則があまりにも多いということだ。
 確かにインドには、特に自動車生産にかけては素晴らしいメーカーが何社かある。
 だが、バーラト・フォージやマヒンドラ・マヒンドラのようなメーカーは、あり余っている労働者よりも高性能な機械を採用することを好む。

■「ミッシングミドル」という問題

 こうしたメーカーの対極には、一握りの従業員が昔ながらの手法で作業している粗末な町工場が数えきれないほど存在する。
 インドに欠けているのは、多くの労働力を必要とする中規模の「ミッテルシュタント」だ。

 インドは好況期でさえ、製造業よりも建設業でずっと多くの雇用を生み出していた。
 煉瓦を頭に載せて運んでいる時に、インドの若者が目標を高く持つのは難しい。

 中規模の企業が存在しないこの「ミッシングミドル」を埋めるために、政府は現在インドの起業家の頭を押さえつけている官僚組織という煉瓦を取り除くべきだ。
 そうした煉瓦の1つは、名目上は工場が政府の許可なしで人員を解雇することを防ぐ悪評高い労働法だ。

 インドの雇用主が第三者機関に所属する労働者を雇うことによって、同法の効力を鈍らせているのは事実だ。
 だが、その際、企業は労働者を訓練するインセンティブも弱めてしまい、それがさらなる乱用を招いている。

 そして労働者には多くの訓練が必要だ。
 インドの若者の多くは学校を出る時点で、初歩的な仕事にさえ対応できる準備ができていない。
 学力の標準は停滞し、悪化しているところさえある。

 年次教育報告書によると、農村部では、5年生までに「43から24を引く」というような計算ができる児童が半分しかいない。
 「What is the time?」というような英語の文章が読めるのは、辛うじて25%程度だという。

■苦汁をなめる若者への賛歌

 中国から流出する製造業の雇用を獲得することに焦点を合わせることは、産業政策の理由にはならないし、もちろん、ひいきの工場を選別するライセンスラジへの回帰でもない。

 若い工場労働者を支援する改革の大半は、インド経済全般を助けることにもなる。
 官僚主義を抑制し、学校の改善を図り、まともな電力供給を確保すれば、インドのサービス業を盛り上げ、中高年労働者を後押しすることにもなる。
 だが現時点では、
 インドの高齢者の慢心が招く悪影響をもろに被っているのは若者だ。

 若きガンジー氏は今年に入ってから、「なぜ若者は怒っているのか?」と尋ねた。
 本当に不思議なのは、なぜもっと怒っていないのか、だ。
 農村部では、政府は公共事業と食料への補助金で社会的な平和を買っている。
 都市部では若者がデモを行うこともあるが、散発的なものに過ぎない。

 2011年にはエキセントリックな活動家の汚職撲滅の旗印の下に若者が結集した。
 昨年12月には、自分たちと同じような希望を抱いていた若い女性の残虐な集団レイプ事件に対し、若者が怒りを露わにした。

 インドでは、多くの場合、非常に辛い困難が静かに耐え忍ばれる。
 どんなに悪い状況に陥っても、近くにいる誰かがもっとひどい状態に耐えており、貧困層でさえ、失うものがどれだけあるか痛感しているからだ。

 社会的な平和は悪いことではない。
 しかし、インドには、雇用を生み出し、政治を若返らせるために不可欠な改革について、緊迫感があった方がいい。
 「インドの世紀」は必然的に訪れるものではない。
 それはむしろ、インドが無駄にしてしまう恐れがある大きなチャンスなのだ。

© 2013 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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【気になる-Ⅴ】


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日本人留学生の数は本当に減っているのか?:実は日本人留学生数は増えている!?

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JB Press 2013.05.16(木)  村田 博信
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37749

日本人留学生の数は本当に減っているのか?

 世間では日本人若者の内向き志向や留学生数の減少など悲観的な報道が目立ちますが、現実はそうではないようです。
 日本認定留学カウンセラー協会(JACSAC)代表幹事の星野達彦氏によると、
 「留学斡旋機関や大使館などが行う留学フェアをはじめとしたイベントの参加者が大幅に増えている」
とのことです。
 さらには多くの留学カウンセラーからも、ここ数年は現場レベルでも留学相談やイベントの参加者が増加したとの声がよく聞かれます。

■実は日本人の留学生数は増えている!?

 星野氏によると、
 「留学関連メディアでは広告主の出稿量が増えているところも珍しくなく、留学斡旋業界の景気が良くなっているとも言える」
とのこと。
 留学情報メディア業界大手の留学ジャーナルによると、2012年度に同社が手掛けた斡旋者数は3500人と前年比12%増。
 日本全体でも2012年の海外留学者数(短期の語学留学等を含む)は約20万3000人で前年比8.8%増となっています。
 これには、グローバル人材が求められているため、夏休みなどを利用して海外で学ぶ学生や、社員を語学学校等での研修に送り出す企業が増えているという背景が考えられます。

 では、なぜメディアによる報道と現実の状況に乖離があるのでしょうか。
 それは、文部科学省が毎年発表する日本人留学生数のデータにも原因がありそうです。
 まず、データが常に2年前のものであるため、タイムラグがあります。
 また、データの対象が高等教育機関への留学のみとなっているため、語学学校への留学などは含まれていません(ちなみに中国など国によっては語学目的留学の人数も留学者数にカウントされているところもあります)。

■データで見る留学生数の増加

 そうした短期の語学留学を含めると、ここ数年は日本人留学生数は増加傾向にあるというのが、以下のデータを踏まえた星野氏の見解です。

(1).大学のプログラム(短期留学含む)【出典:日本学生支援機構(JASSO)】

1万8570人(2004年)⇒ 2万3633人(2006年)⇒ 2万4508人(2008年)⇒ 2万8804人(2010年)

(2).アメリカへの英語留学【出典:US IIE Open Doors、Intensive English Program(IEP)】(参考:INSTITUTE OF INTERNATIONAL EDUCATION)

学生数:4953人(2009年)⇒ 4228人(2010年)⇒ 5502人(2011年)
滞在週合計:5万6283週(2009年)⇒ 4万572週(2010年)⇒ 6万3639週(2011年)

(3).カナダへの英語留学【出典:Languages Canada(ワーキングホリデーやビザ不要の短期留学を含む統計データ)】

1万4657人(2009年)⇒ 1万5930人(2010年)⇒ 2万1069人(2011年)

(4).日本のカナダ大使館主催の留学フェア参加者【出所:在日カナダ大使館】

1593人(2009年)⇒ 2134人(2010年)⇒ 2712人(2011年)⇒ 3643人(2012年)

(5).オーストラリアへの英語留学【出典:English Australia】

1万6221人(2009年)⇒ 1万8718人(2010年)⇒ 1万8888人(2011年)

■留学生数増加の背景

 こうした留学者数の増加には、グローバル人材が求められているという現状が大きく影響していますが、産官学の様々な取り組みも見逃せません。

★国の取り組み

 2010年菅直人内閣の時に作り閣議決定された「新成長戦略」に、2020年に日本人学生等の海外交流30万人を目指すことが明記されました。
 その流れで平成24年度には文科省などが送り出し留学の促進に下記のような予算を設けています。

●ショートビジット(3カ月未満の短期語学研修など)約10億円:6300人に月額8万円の支給
●短期留学(3カ月以上)約17億円:2280人(前年760人)に月額8万円の支給
●長期留学(1年以上)約4億円:200人(前年100人)に月額約9万~15万円と授業料の支給
●高校生の留学(1年間留学)1億2000万円:300人(前年50人)に40万円の支給

★自治体の取り組み(一部の紹介)

 東京都では、「次世代リーダー育成道場」事業として、2012年から2020年までに延べ3000人の都立高校生を海外留学させる計画を立て推進中です。
 また大阪府では、2012年から2015年までに1000人の高校生や大学生を海外留学や研修に送り出す事業に取り組んでいます。
 埼玉県や福岡県、佐賀県などでも海外の高校に留学する生徒を対象に10万~60万円程度の助成をしています。

■企業の取り組み

 企業によるグローバル人材育成については以前の掲載で紹介したとおりですが、(詳細は第9回、第10回参照)、採用の面でも留学経験者へのアプローチが活発になっています。

 世界最大の日英バイリンガル就職イベント「ボストンキャリアフォーラム」(ディスコ社主催)の参加企業数もここ数年右肩上がりに伸びており、2011年は171社だったのが2012年は190社ほどに増えています。

 また、経団連も2012年から「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」を設け、指定大学の学生約30人に年間100万円(1人当たり)の奨学金を給付し始めました。

■大学の取り組み

 上記のように国や企業によるグローバル人材育成の強い要望を受けて、大学側でも東京大学が秋入学を検討し始めたり、多くの大学で海外留学プログラムなど制度の充実を図っています。
 また文科省のグローバル人材育成推進事業の採択を受けた42大学は、5カ年計画で留学者増加と具体的な数字目標を掲げて活動しています(詳細は第18回、第19回参照)。

■米英の政府による働きかけ

 日本人による高等機関への留学の減少が目立つアメリカは、積極的に日本人留学生の受け入れ表明をしています。
 少し前になりますが2010年11月に行われた日米首脳会談で、日本の留学生を積極的に増やすことが話し合われたり、当時のクリントン国務長官も日本からの留学生を促す発言をしています。
 また、英国政府の国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルは、日本を重要市場と捉え、日本人の留学動向についての調査も本格的に実施し始めました。

■グローバル人材輩出国への兆し

 短期の語学留学が増加傾向にあると述べましたが、語学留学生は修了後に海外大学へ進学する可能性の高い予備軍でもありますので、その数が増えているということは将来的に高等教育機関への留学が増えることにつながります。

 さらに、現在政府では大学入試に英語能力テストTOEFLを導入することを検討していますが、海外の大学進学に必要なTOEFLを受験させることで、海外留学を促進することは間違いないでしょう。
 またTOEFLで良いスコアを取るには付け焼き刃的な英語力では太刀打ちできず、実践的な能力が求められます。

 そのため“使える”英語を身につける学習スタイルのニーズが高まり、例えば高校時代にフィリピンなどへ費用対効果の高い短期語学留学をする学生が増える可能性も考えられます。

 “使える”英語を体得した学生が増えれば、それだけ海外留学を志す人数も増加するでしょう。
 グローバル競争が激しさを増す企業の要請によって、大学にグローバル人材を求める機運が高まり、政府が政策で後押しするという構造が動きつつあります。

 ここで大事なのはただ単に留学すれば何もしなくてもグローバル人材になれるという安易な考えを渡航者が抱かないように、留学斡旋会社や帰国後の受け入れ企業などが求められるグローバル人材像をきちんと提示し、留学先でどのように過ごすべきかをガイドする必要があります。

 せっかく留学者数が増えても彼らが社会で活躍できなければ、留学生増の機運に水を差すことになりかねません。
 持続的な潮流となるよう産官学が密な連携を取ることが求められます。
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【気になる-Ⅴ】


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