2013年2月11日月曜日

日本のテレビドラマ:「メイドインジャパン」に大反響



●8日、日本のNHKで放送中のテレビドラマ「メイドインジャパン」に国内外の注目が集まっている。戦後の日本経済を支えてきた物づくりの意義とは…?写真はソニーの中国語広告。


レコードチャイナ 配信日時:2013年2月11日 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69310&type=0

中国企業との戦いを描いた日本のテレビドラマ「メイドインジャパン」に大反響―米メディア

 2013年2月8日、ロイター通信(米国版)は、日本のNHKで放送中のテレビドラマ「メイドインジャパン」が大反響を呼んでいると報道した。
 同紙は「日本人が抱いている『メイドインジャパン』衰退の不安をとらえたテレビドラマ」と題して同ドラマを紹介している。
 9日付のシンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。

 戦後の日本経済を支えてきた製造業は、円高、欧州債務危機、中国・韓国をはじめとした新興国の猛追などで危機的状況にある。
 ソニーやシャープ、パナソニックなどの家電メーカーは、昨年業績が軒並み大幅に悪化。
 10年には全世界で910万台のトヨタ車がリコールされ、メイドインジャパンの信用に傷がついた。
 液晶ディスプレイ(LCD)やスマートフォンでは韓国メーカーに大きく差をつけられている。

 こうした状況下で放送されたNHKの「メイドインジャパン」は、まさにタイムリーなドラマ。
 倒産の危機に追い込まれた大手家電メーカーのタクミ電機の「再建戦略チーム」と、自らの技術をライバルの中国企業に売った元社員、独占スクープを手にしたい記者、経営手腕のない2代目社長との戦いを描いている。

 「メイドインジャパン」の視聴率は10%を超え、日本のビジネス業界も関心を寄せている。
 ドラマのチーフ・プロデューサー、高橋練氏は
 「2年前から制作に取り組んだ。
 当時の日本経済はすでに低迷していたが、このドラマのように電気メーカーが危機的状況に陥るとは予想していなかった」
と話す。
 アジア研究の米国人専門家はドラマについて
 「東アジアの政治経済力が中国に大きく傾いていることや、日本経済の衰退に対する日本人の不安を的確にとらえている」
と評価。

 日本の物づくり文化とは、伝統的な「たくみ」がその技術を駆使して、卓越した品質の物を生み出すことだ。こ
 れが日本の製造業の発展を支えてきた。
 しかし、常に模倣され、その技術は生産モデルにのみ込まれてしまった。
 ある有識者は、物づくり文化は大量生産の時代には成功をもたらす鍵となったが、
 創造性を求められる現代社会では日本の技術革新にとっての足かせになっていると指摘。
 フリージャーナリストの井上久男氏は、
 「製造業は日本の屋台骨を支え、物づくり文化は日本人の誇りだった」と
語り、製造業抜きで日本経済の発展はあるのかと疑問を呈している。



クリッカー 2013/01/30 11:33
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ドラマ「メイドイン・ジャパン」に見る日本のモノ作りの歪みとは ?

 NHKが放送60周年を記念して1月26日から全3編で放映中のTVドラマ「メイドイン・ジャパン」が話題になっています。
 日本を代表する巨大電機メーカーの経営が悪化し倒産の危機に陥った中で、秘密裏に選抜・編成された異端な社員7人で構成する「再建戦略室」チームが、会社再建に向けて「リチウムイオン電池市場」で勝負をかけるという時流に乗ったストーリー。

 この物語は電機メーカーが舞台になってはいますが、
 そのストーリーの素材は1997年~1999年当時、倒産の危機に陥った大手自動車メーカーで再建に携わった人物への取材などをベースにしていると言うだけに、架空の物語ながら、リアルな内容になっています。

 ドラマでは「メイドイン・ジャパン」製品そのものと言うよりも、それを生み出す企業風土など、表からは見えない部分にメスを入れています。

 主人公(唐沢寿明)は熱血漢で「再建戦略室」を牽引するリーダー。
 第1回放送では中国企業が同社の技術をコピーした製品を売り出した事で、取引先の自動車メーカーとの契約が奪われるところからスタート。
 技術料を請求する為、相手中国企業に乗り込んでみると、そこにはかつての同僚技術者の姿が…。

 同僚は当時「リチウムイオン電池技術」開発の重要性を社内で説くも予算が無いと相手にされず、遂には会社を追い出され、その後中国企業に拾われて頭の中に秘めていた技術を中国で製品化していたという流れ。

 ドラマのストーリーでは均一性を重視する日本特有の企業風土にスポットを当てており、異質な人材を職場から排除、上司・役員は自身の保身に熱心で、若い優秀な技術者の芽を結局摘んでしまっている実態を炙り出します。

 確かに日本の自動車業界を振り返れば、組織内上下間の疎通の悪さが災いして不具合などの隠蔽体質が取り沙汰されたケースも見られ、こうしたことが優れた日本製品を生み出す力を阻害する要因になっているのかもしれません。

 ちなみにドラマの素材となった自動車メーカーは外資を受け入れた後、社内を大改革、近年ではコンパクトカーの開発リーダーに他の大手自動車メーカーを退職、数年後同社に再就職した有能な女性社員を起用するなど、社内の優秀な人材を発掘、重要なポジションに積極登用するような社風に大きく転換しているようです。

 企業の財産はあくまで「人」だけに、こうした組織内の上下関係に「メイドイン・ジャパン」の発展を阻害する歪みが有ると指摘するこのドラマ、あながち他人事では無さそうです。

■NHK総合 「メイドイン・ジャパン」Webサイト
http://www.nhk.or.jp/drama/madeinjapan/index.html 

[今後の放映予定]
 毎週土曜日放映(NHK総合)
  第1回再放送 2013年 2月2日 16:00~17:13
  第2回放送   2013年 2月2日 21:00~22:13
  第3回放送   2013年 2月9日 21:00~22:13

【ドラマ】メイドインジャパン
 メイドインジャパン タクミ電機営業部長・矢作(唐沢寿明)は、譲原会長(岸部一徳)の特命で余命3カ月の会社倒産の危機を回避するため、再建戦略室を立ち上げる。
 財務課長・柿沼(吉岡秀隆)、工場長・西山(國村隼)など7人の社員が秘密裏に集められ、リチウムイオン電池市場で勝負をかけることになる。 (Amazon)

NHK/土9/13.01.26~13.02.09/3回
出演:唐沢寿明、高橋克実、吉岡秀隆、國村隼、大塚寧々、酒井美紀、及川光博、岸部一徳