●NHKニュース
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NHKニュース 3月12日 11時51分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130312/k10013138431000.html
海底からメタンハイドレート採取に成功
資源エネルギー庁は、将来の国産天然ガスの資源として期待されている「メタンハイドレート」について、愛知県と三重県の沖合で世界で初めて海底からのガスの採取に成功したと発表しました。
発表によりますと、12日午前9時半ごろ、愛知県と三重県の沖合で、国の委託を受けた独立行政法人のJOGMEC=石油天然ガス・金属鉱物資源機構が中心に進めているメタンハイドレートの試験開発で、海底より数百メートルの深さの地層から天然ガスの採取に成功しました。
資源エネルギー庁によりますと、海底にあるメタンハイドレートからの天然ガスの採取は世界でも初めてということです。
メタンハイドレートは、天然ガスと水が結びついてシャーベット状になった天然資源で、「燃える氷」とも呼ばれています。
日本近海の海底でも埋蔵が確認されているため、将来の国産天然ガス資源として期待が高まっていて、政府はこのうち愛知県と三重県の沖合で、ことし1月から試験開発を進めてきました。
現場では今後、2週間ほどかけてガスが安定的に採取できるかを調査するということです。
今回の海底には日本の天然ガス使用量の14年分に相当するメタンハイドレートの埋蔵が見込まれていて、資源エネルギー庁は、5年後をめどに商業化に向けた技術を確立したいとしています。
■課題は生産コストと効率
エネルギーのほとんどを輸入に頼っている日本。
特に原発事故以降は、火力発電用の燃料輸入が増大しているため、国産エネルギーの開発を急ピッチで進めています。
この中でも、将来の国産のエネルギー源として最も期待されているのがメタンハイドレートです。
メタンハイドレートは、日本近海の広い範囲で埋蔵されていることが分かっています。
今回、試験開発されている海域だけでも、日本の天然ガス消費量の14年分の埋蔵量が見込まれています。
さらに、新潟県の上越沖や北海道の網走沖、日本海の秋田県から山形県にかけての沖合などで実際にメタンハイドレートが確認されているほか、紀伊半島から四国、九州にかけての太平洋沿岸でも埋蔵の可能性が指摘されていて、日本近海の埋蔵量を合わせれば、
日本の天然ガス消費量の100年分に相当するという試算
もあります。
このため、政府内には「商業生産が実現すればエネルギーの輸入依存体質を大きく変えられる」といった見方もあり、開発にはこれまで588億円が投じられています。
ガスと水が結びついたシャーベット状のメタンハイドレートから、天然ガスを採取するには高い技術が求められますが、日本はこの技術面で世界をリードしています。
世界で初めて内陸部のメタンハイドレートからガスが採取されたカナダ北西部の内陸部での試験開発も、日本政府が中心になって進めました。
一方、課題は生産コストです。
通常の天然ガスは、埋蔵している地層にパイプを通せばガスが出てくるのに対し、メタンハイドレートは、シャーベット状の固体からガスだけを取り出す必要があります。
このため、今回の試験採取については、アメリカで生産が増加している
シェールガスと比べても、コストは「17倍」になっているという試算
もあります。
また、一般的なガス田に比べると、メタンハイドレートからガスを採取する効率は10分の1程度とされ、効率の悪さも課題です。
政府は、商業生産に向けて5年後をめどに生産技術の確立を目指すとしていますが、コストの圧縮や、効率の向上が大きな課題となりそうです。
一方、電力会社やガス会社は、今回のガス採取について期待感をもっているものの、商業生産に向けてはまだ多くの技術的な課題があるとして、今後の開発状況を見極めたいとしています。
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産経ニュース 2013.3.13 07:12
海洋でガス産出 国産エネルギー実用化期待
■近海に100年分、資源外交カード
海底に眠るメタンハイドレートから天然ガスを取り出す試験生産に世界で初めて成功したことで、エネルギー資源の大半を輸入に頼る日本には、新たな国産資源の確保の道に明るさがみえた。
米国は新型天然ガス「シェールガス」の開発で、資源大国へ変貌を遂げており、
日本もメタンハイドレート開発をテコに資源外交を有利に導くカードを手にする可能性も高まってきた。
「わが国周辺の資源を活用できる時代が来るようになると思っている」。
茂木敏充経済産業相は12日の会見で、メタンハイドレートの開発についてこう期待を表明。
菅義偉官房長官は会見で「資源のないわが国にとって本当に歓迎すべきだ」と強調した。
現在、日本が自前で生み出せるエネルギーは水力発電が中心で、エネルギー自給率は4.8%(平成22年)と極めて低い。
エネルギーの大半は石油や液化天然ガス(LNG)など輸入した化石燃料だ。
東京電力福島第1原発事故後の原発の稼働停止で化石燃料への依存度が高まっているだけに、ガス産出の成功の意義は大きい。
メタンハイドレートの最大の特長は、日本近海の埋蔵量の多さだ。
今回の試験海域だけでも国内の天然ガス消費量の10年分以上、日本近海では同約100年分との推計もある。
昨年10月に成功した秋田県由利本荘市の鮎川油ガス田で、地中深くの岩盤層に含まれる石油「シェールオイル」の秋田県全域の埋蔵量は、国内の年間石油消費量の1割程度とみられ、これに比べると、桁違いの規模だ。
またメタンハイドレートは石油や石炭に比べ、燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、環境面での優位性が指摘される。
日本は今回の成功で、海底にあるメタンハイドレートからガスを回収する技術で独走の位置に立った。
これについて、日本総合研究所の松井英章主任研究員は
「各国のメタンハイドレート採掘への産出技術の輸出が期待できる」
と関連産業の将来性を見込む。
また自国で資源を賄える余地の拡大は、資源を輸入する際の価格条件をより有利にできる。
国内資源の乏しい日本は、LNGの調達などで厳しい交渉を迫られるケースが目立ったが、実用化へのめどが立てば、
「資源調達時の価格交渉力が大きく増す」(松井氏)
のは確実だ
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レコードチャイナ 配信日時:2013年3月14日 13時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70308
世界初!日本がメタンハイドレートからの天然ガス採取に成功
=埋蔵量は1000年分―中国メディア
2013年3月13日、中国網は記事
「中国エネルギー専門家:日本が“燃える氷”の分離に成功=世界のエネルギー構造転換を推進する可能性も」
を掲載した。
12日、日本政府は日本近海のメタンハイドレートから天然ガスを採取することに成功したと発表。
世界で初めてメタンハイドレート採掘に成功した国となった。
中国石油大学経済管理学院の王震(ワン・ジェン)院長は
「日本の成功は世界のメタンハイドレート商業化にとって重要な一歩であり、世界のエネルギー構造の転換を推進する可能性もある」
と評した。
“燃える氷”と呼ばれるメタンハイドレートは海底や凍土に眠っている物質だが、燃焼時の二酸化炭素排出量が石炭の約半分ということもあり、温室効果ガス排出量削減にも役立つと考えられている。
現在、世界116カ所で埋蔵が確認されているが、その巨大な埋蔵量は天然ガス田とは比較にならない。
科学者はメタンハイドレートの埋蔵量は人類の使用量1000年分に匹敵すると推定している
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レコードチャイナ 配信日時:2013年3月16日 0時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70358&type=0
日本のメタンハイドレート開発、エネルギー構造に変化?―中国紙
2013年3月15日、国際金融報は日本のメタンハイドレート開発について伝えた。
日本は12日、メタンハイドレートから天然ガスを取り出す試験に成功したと発表した。
日本は世界で初めて、海底でメタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出すことに成功した。
多くのメディアはこの情報を、ごくありふれた科学技術関連のニュースとして処理した。
しかしいかなる発明もエネルギーと結びつくと、敏感かつ複雑なものとなる。
メタンハイドレートがエネルギーの新たな「寵児」になった場合、これを最も快く思わないのは伝統的な石油天然ガスではなく、シェールガスだ。
米国のエネルギー構造は「シェールガス化」に向かっている。
米国の天然ガス価格は、2008年の時点では100万BTU当たり8ドルであったが、現在は3ドルまで低下しており、一時的に2ドルに達したこともある。
エネルギー価格の低下の影響は全面的なもので、米国の火力発電はガス発電に転換を始めている。
一部の製鉄所も、ガスによる製鉄の研究を始めている。
米国のシェールガス開発の成功はグローバル資本を引きつけている。
カナダ・中国・ロシアなどは、我先にとシェールガス市場に進出している。
米国のシェールガスの「覇権的な地位」はすでに確立された。
データによると、米国は2025-2030年ごろに、世界最大のエネルギー産出国になる見通しだ。
この重要な時期に、日本はメタンハイドレート開発の技術進歩を発表したが、その狙いは何か?
安倍首相の2月訪米の重要な議題は、シェールガス輸出の要請だ。
これには「引き延ばし策」の可能性があるだろう。
東日本大震災後、日本は赤字時代に突入した。
今年1月には1兆6000億円以上の貿易赤字が計上され、単月としては過去最多を記録した。
その主因は、液化天然ガスの輸入量の増加だ。
米国のシェールガスは非常に安価だが、日本に販売するならば高額になる。
米国から日本に輸送するだけで、100万BTU当たり8-10ドルになってしまう。
それならば、安価なシェールガスは米国人にしか利益を与えないことになる。
これでは日本企業のライバルに塩を送ることになってしまうのではないか。
日本がこの時期にメタンハイドレートの情報を発表した
●.一つ目の理由は、国内世論の沈静化だ。
シェールガスはやはり最も安価であり、メタンハイドレート技術が実用化する前に、この代価は支払う必要があるというわけだ。
●.二つ目の理由は、米国への対抗だ。
メタンハイドレート技術を持っているのだから、価格交渉能力を引き上げられるというわけだ。
しかしメタンハイドレートがシェールガスの地位を揺るがせるかについては、多くの人が否定的な態度を示している。
その最大の原因は、メタンハイドレートの商業開発がまだ遠く先の話であるからだ。
これには二つの課題が存在する。
●.一つ目は技術的なもので、熱分解も圧力低下も商業開発を満たしておらず、投入が産出を大きく上回っている。
●.二つ目は環境的なもので、メタンハイドレートの開発により、大量のメタンガスが大気中に拡散される。
メタンガスは強力な温室効果ガスで、その温室効果は二酸化炭素の20倍に達する。
しかしこれらの問題により、日本が開発を諦めることはあるだろうか?
長期的なプランを持たない者は、短期的なプランを策定することもできない。
エネルギー構造の変化は数十年に及ぶものであり、早めに手を打つことが重要だ。
米国のシェールガス開発による製造業復活の経験を前にし、
日本はメタンハイドレートの開発に総力をあげるはずだ。
仮に一歩譲り、メタンハイドレート開発が順調に進められたとするならば、最初に利益を手にするのは日本だ。
仮に失敗した場合も、日本は真っ先にそれによる災難に襲われることになるが、最大の危険は人類全体に降りかかることになる。
(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/TF)
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サーチナニュース 2013/03/16(土) 12:50
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0316&f=business_0316_014.shtml
日本のメタンハイドレート開発は楽観的すぎる=中国専門家
日本は12日、愛知県沖の深海地層にあるメタンハイドレートから天然ガスの採取に成功し、世界で初めて海底メタンハイドレートの掘削技術を獲得した国になった。
中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
メタンハイドレートは日本近海に広く分布し、日本が使用する天然ガス消費量の100年分の埋蔵量があるとも言われる。
日本は2018年までに技術を完成させ、大規模な商業ベースでの生産を実現する構えだ。
日本が海底のメタンハイドレートから天然ガスの採取に成功したことは、世界のエネルギー構造にどのような意味を持つのか。
中国はメタンハイドレートの掘削技術でどのような進展を得ているのか。
中国の海域、陸地にはどれくらいのメタンハイドレートが存在しているのか。
メタンハイドレートの詳しい専門家である浙江工業大学の裘俊紅教授を訪ね、注目が集まる問題をぶつけてみた。
掘削試験は経済産業省の下部組織である石油天然ガス金属鉱物資源機構が実施したものだ。
同機構は地球深部探査船「ちきゅう号」を使って、愛知県渥美半島沖約1000メートルの海底からさらに330メートル掘り進め、メタンハイドレートの地層に到達し、メタンハイドレートの水分から圧力を下げて水とメタンガスを分離させメタンガスの採取に成功した。
この海域で引き続き2週間前後の掘削試験を行い、技術を完成させる予定だ。
裘教授によれば、日本は海底のメタンハイドレートからの天然ガス抽出に成功したが、
この技術を商業化しようとすると日本だけでなく世界のエネルギー構造に大きな影響を与え、世界のエネルギー構造の転換を進めることにもなると指摘する。
日本は2010年にはメタンハイドレートの開発利用を実現したいといっていたが、現在は18年に商業開発技術を完成させたいと変更した。
この計画は時間的に楽観的すぎるだろう。
海底のメタンハイドレートの掘削は難しい問題で、多くの課題がまだ解決されていない。
特にメタンハイドレートの大規模な商業開発は、海底環境や温室効果などの影響がどれほどになるかはっきりしていない点が多い。
■福島原発事故で日本の新エネルギー開発が加速
11年3月に発生した福島第一原発の事故から、日本の原発は相次いで運転を停止した。
電力不足を補うため、火力発電に頼らざるを得ないが、
火力発電に使用される天然ガス、石油などの輸入急増が日本の巨大な貿易赤字を生み出している。
日本はメタンハイドレートの商業生産で海外依存の体質から脱却し、エネルギー自給を実現したいと願っている。
日本の報道では、近々発表が予定されている日本政府の「海洋基本計画」には18年にメタンハイドレートの商業生産確立と明記されている。
一方、米国、カナダ、ロシア、インド、韓国などでも、それぞれメタンハイドレートの関する長期研究計画が制定されており、5-10年以内に商業開発を目指している。
不完全な技術で海底から大量の温室効果ガスを汲み出すことで、地球温暖化を加速してしまわないか、各国はどこも非常に慎重な開発計画を立てている。
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日本経済新聞 2013/3/31付
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53431920R30C13A3PE8000/
海洋資源をいかす開発技術の育成を
政府は愛知・三重県沖の海底地層に広がるメタンハイドレートから、世界で初めて天然ガスを取り出すことに成功した。
南鳥島沖の海底の泥には、携帯電話やハイブリッド車の生産に欠かせないレアアース(希土類)が高い濃度で含まれていることもわかった。
商業生産には割高なコストなど課題が多く、輸入に頼る日本の資源自給率がすぐに改善するわけではない。
だが、日本を取り巻く広大な海洋には豊かな資源が眠る。
国産資源の利用に向けて開発技術を育てていくことが重要だ。
メタンハイドレートは天然ガスの成分が地中深くで水と結びついた氷状の物質だ。
日本周辺の海域には日本の天然ガス消費量の100年分が存在するという。
ハイブリッド車のモーターに使うジスプロシウムも、海洋研究開発機構などの調査で日本近海に国内消費量の230年分を超える量が存在する可能性が出てきた。
海底から噴き出した熱水に含まれる銅や亜鉛、金などの金属成分が積もってできる熱水鉱床も伊豆諸島や小笠原諸島などの周辺に分布することがわかっている。
夢は膨らむが、過大な期待は禁物だ。
現状ではどれも採算の確保が難しい。
メタンハイドレートは日本が輸入する液化天然ガス(LNG)の価格に比べて何倍も高い。
中国に輸入の大半を依存するレアアースでは代替技術の開発や調達先の分散が先行する。
それでも海洋資源を効率良く探したり、掘り出したりする技術の確立に取り組む意義は大きい。
原子力発電所を代替する火力発電用のLNGや原油の輸入が急増し、年間3兆円規模で国富が流出する要因となっている。
国産資源という選択肢を持つことが、資源国に足元を見られずに、調達交渉を進める材料になる。
メタンハイドレートはカナダの永久凍土層などでも埋蔵が確認されている。
海外では海底の金属資源を掘り出す民間プロジェクトが動き出している。
世界各地で本格化する競争に日本企業が加わるには技術が不可欠だ。
メタンハイドレートでは地中から取り出す際に水とガスに効率的に分け、安定して生産する方法を確立しなければならない。
そのためには当面、資金面などで国の支援が必要だ。
政府は近く、新たな海洋政策の柱となる「海洋基本計画」を策定する。
豊かな資源をいかす長期戦略が欠かせない。
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【気になる-Ⅴ】
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